またもこだわりの一品  BOSTON - DON’T LOOK BACK(新惑星着陸)

大ヒットアルバムBOSTON(幻想飛行)に続く第2弾





前作、つまり1976年のデビュー作BOSTON(幻想飛行)で、BOSTON(ボストン)は全世界で2500万枚を超える大ヒットを記録。
このすさまじいヒットの次の作品を世に出すということには、非常に大きなプレッシャーがあったに違いありません。

 

しかし本人たち、(といってもほぼトム・ショルツだろうけど)が感じる圧力は内側からのものよりもレコード会社、という外からのものでした。
レコード会社が一つヒットが生まれれば、早く次のヒットを求めるのも当然と思えます。
wikiによると、レコード会社のお偉いさんたちは、彼らが準備ができた、と感じるより前にアルバムを出させようとしていたようです。
しかし、完璧主義者のトムはそれを許さず、やはり十分に時間をかけてアルバムを製作しようとします。

 

そして何と前作から2年という異例の早さで(ボストンのバンド史からすると、8年待ちが当たり前のようになっているので、それに比べるとはるかに早い)2ndアルバムがリリースされました。
当初タイトルはARRIVAL(到着の意味)の予定でしたが、他のグループが(ABBA)既にそのタイトルをアルバムにつけていたのを見つけたため、アルバム一曲目のタイトルがアルバムタイトルとして使われることになります。

 

では今日は1978年リリースの、ボストンの2ndアルバム、DON’T LOOK BACK(新惑星着陸)をご紹介したいと思います。

DON’T LOOK BACK(新惑星着陸)の楽曲紹介

今回もアルバムのクレジットには

No Synthesizers Used(シンセサイザー使用せず)

No Computers Used(コンピューター使用せず)

の二つが誇らしげに表示されています。

 

今回はツアーの合間をぬっての作業となったためそれほど十分には時間を取れなかったようです。
しかし、それでもTom Sholz(トム・ショルツ)はシンセもコンピューターも使わない、全て自らの手でミキシングもマスタリングも行なうこだわりは貫き通しました。

 

アルバムオープニングを飾るのは、DON’T LOOK BACK(ドント・ルック・バック)。

 

イントロのギターリフ、そしてソロの音は、彼らのボストンサウンドがそのまま帰ってきたことを感じさせてくれます。
そしてBrad Delp(ブラッド・デルプ)のハイトーンに美しいコーラス。
サビに絡む、ずぶといギターサウンド。
間奏からギターソロへの流れも秀逸だ。
そして期待通りの美しく重厚なギターソロ。

 

何も足さない、何も引かない、そのままのボストンサウンドがここにあります。

 

楽曲のメロディもキャッチーだし、曲の展開も6分近いことを感じさせないほど巧みに構成されています。

 

もうこの1曲だけでおなかいっぱいである。

 

先行シングルともなったこの曲はビルボード誌シングルチャート第4位を記録しています。

 

2曲目はTHE JOURNEY(ザ・ジャーニー)。

 

今作唯一の、短いインストゥルメンタルです。
広漠とした新惑星に到着した雰囲気が表現されているのだろうか。
静かなバックの音に次第にエレキの音が重なっていき、何かが起きる期待を持たせて、次の曲へつながります。

 

3曲目はIT’S EASY(イッツ・イージー)。

 

前のインストによって紹介された次の曲はノリのいいロックンロールです。
前作のROCK & ROLL BAND(ロックンロール・バンド)を思わせる正統派のアメリカンロックになってます。
いつもの形ですね。
美しいヴォーカルとコーラス。
アコギの伴奏の上にエレキのリフとソロが乗っかってバランスよく気持ちの良い楽曲を作り上げています。
ギターソロもいつものようにスペイシーで、いつものコーラスエフェクトでツインのギターソロのように聞こえて心地よい。
安定のロックサウンドだ。

 

A面ラストはA MAN I’LL NEVER BE(ア・マン・アイル・ネバー・ビー)。

 

これはボストンの新たな魅力となったバラードです。
ヴォーカルのブラッド・デルプは1979年のミュージックライフ誌の取材でこの曲についてこのように述べています。

ア・マン・アイル・ネバー・ビーは僕らにとって特に大切な曲さ。
僕らが一番好きな曲で、昔クラブなんかで他人のヒット曲を演奏しなくちゃならなかった時もチャンスさえあればドサクサまぎれにこの曲を演奏しては、いつか僕らのオリジナルだけを演奏できる日が来ることを夢見ていたんだ。
この曲を演奏するとき、今でもあの頃のことを思い出すよ。

 

このインタビューからもわかるように、デビューアルバムを出す前から彼らはボストンとしてのバンド活動をやっていました
ボストンは、よくトム・ショルツのソロプロジェクトのような言われ方をすることがあります。
ある面ではそれは事実と言えます。
なぜならアルバムを作るに当たり、ほとんどの楽器を作曲し、プレイし、ミキシングからプロデュースまで、ほとんどをトムは一人で長時間かけて行なっているからです。
しかし、製作のほとんどは彼が一人でやるとはいえ、母体としてバンドが確かに存在する、ということをこのインタビューは示しています。
ともに苦労を分かち合った仲間がいて、その上でトムは渾身の力をアルバム製作に注ぎ込む。
なので、やはりボストンというグループは決してトム一人のプロジェクトではなく、一つのバンドであることをはっきりと知ることができますね。

 

この初期の時代からの思い出の詰まった楽曲はアルバムからの2ndシングルとしてカットされ、第31位のスマッシュヒットとなりました。

 

B面1曲目はFEELIN’ SATISFIED(フィーリン・サティスファイド)。

 

これはボストンらしい爽快な楽曲だ。
お得意の美しいコーラスに、宙を舞うようなスペイシーな心地よい音色のギターサウンド。
ハンドクラップをバックにプレイされるギターリフはかっこ良過ぎるし、サビのコーラスもクリアで美しすぎる。
前作を踏襲した聴いて心地よく楽しいロックンロールだ。

 

この曲は3rdシングルとしてカットされ、シングルチャートで第46位を記録しています。

 

2曲目はPARTY(パーティー)。

 

続いて、すこししっとりとしたギターで始まるのは、またも痛快なロックンロールです。
まったくタイトルどおりパーティーソングとしてピッタリなノリノリのロックソングになってます。
エレキギターも美しい、太い音色を振りまいていますね。
サビのbaby!!♪のあとに続くギターのかっこいいこと。
まさに爽快痛快な典型的なボストン流のロックンロールだ。

 

3曲目はUSED TO BAD NEWS(ユースト・トゥ・バッド・ニューズ)。

 

アコースティックギターの心地よいストロークが全編にあふれている、ミドルテンポの爽やかな楽曲です
途中の間奏ではハモンドオルガンの柔らかな音色の速弾きが曲を彩ってます。
そしてそれに続くギターソロが相変わらず美しい。
後半はオルガンが歌に気持ちよく絡み、美しいコーラスも飛び込んできます。
なんとも気持ちいい名曲です。

 

ラストは、DON’T BE AFRAID(ドント・ビー・アフレイド)。

 

イントロの太いギターソロが印象的なミドルテンポのロックンロールです
ギターソロではメンバーのバリー・グドローのワウを用いたボトルネック・ギターがいい味を出しています。

 

いやいや、前作同様、楽しいロックンロールアルバムだったと思います。

まとめとおすすめポイント

1978年リリースの、ボストンの2ndアルバム、DON’T LOOK BACK(新惑星着陸)は、アメリカだけで700万枚を売り上げ、アルバムチャートでは全米No.1を獲得しました。

 

前作同様、トムの緻密な作業により、このクオリティの高いアルバムは完成しました。
レコード会社との契約や、ライヴツアーのスケジュールなどの関係で、わずか(!!!)1年2ヶ月ほどしかミキシング作業に当てられなかったらしいです。
本人は後に、もっと時間をかけたかった、とこぼしています。
しかし、十分に素晴らしい魅力的なサウンドが構築されたことは誰の耳にも明らかでしょう。(トムは一体どこまで完全主義者なんだ!)

 

実際のところ、トムがいくら理系の頭脳をつぎ込んだとしても、それが必ずしも名盤を産むわけではありません。
やはり、彼のミュージシャンとしてのセンスがあって初めて、MIT卒の優秀な頭脳がその才能を発揮するのです。

 

もちろん、アルバムを技術者が解析すれば、さまざまなトムの用いたテクニックに気付き、驚かされるでしょう。
しかし、そんな難しいことを知らない我々も、十分にボストンサウンドに心奪われ、楽しむことが出来るのです。
ひとえに、トムの音楽的センスがアルバムの成功に寄与している、と言えるに違いありません。

 

デジタルを退け、アナログと緻密な手作業にこだわった、トムのこの作品も多くの人を魅了しました。

 

一流の技術者であり、一流のミュージシャンによるハンドメイドのロックンロール作品をぜひとも堪能してほしいと思います。

チャート、セールス資料

1978年リリース

アーティスト:BOSTON(ボストン)

2ndアルバム、DON’T LOOK BACK(新惑星着陸)

ビルボード誌アルバムチャートNo.1 アメリカで700万枚のセールス

1stシングル DON’T LOOK BACK(ドント・ルック・バック) ビルボード誌シングルチャート第4位

2ndシングル A MAN I’LL NEVER BE(ア・マン・アイル・ネバー・ビー) シングルチャート第31位

3rdシングル FEELIN’ SATISFIED(フィーリン・サティスファイド) シングルチャート第46位




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