NEMOPHILA(ネモフィラ)2ndシングル  雷霆 -RAITEI- c/w SORAI

NEMOPHILA(ネモフィラ)は2020年2月29日(土)に1st single「OIRAN」をリリース。
その日には初のワンマンライヴを渋谷REXにて開催しています。
チケットは瞬時にソールドアウト、とのこと。
この時は、ドラムのむらたたむさん(たむちゃん)は産休のため、大先輩のSHOW-YAのドラマーの角田”mittan”美喜さんがサポートでドラムを叩いてくれてます。

 

この勢いで2ndワンマンライヴを再び渋谷REXにて5月31日開催を予定していたものの、折しもコロナが広がり始めていたころで、やむなく延期が決定されます。
さらに、8月22日に延期された新宿Renyでの2ndワンマンライヴは、結局やむなく公演の中止が決定されてしまいます。
2019年8月22日にライヴ活動を開始したネモフィラ(その最初の時点ではmayuセッションというバンド名)でしたが、コロナによって完全に出鼻をくじかれた形になってしまいました。

 

しかし、いったんは中止となっていた8月22日のライヴでしたが、無観客配信ライヴ、という形での開催が発表されます。
「むらたたむ復帰!NEMOPHILA 1st Streaming Live」と題して、ネモフィラ初の配信ライヴです。
たむちゃん産休のため、5人フルメンバーでのライヴは8か月振りとなり、ネモフィラにとっては事実上初のワンマンと言っても良いかもしれません。
産休明けのたむちゃんが戻ったライヴ、ということで、結果的には5月じゃなくてこの8月が正解だったのかもと思えます。
コロナ禍で多くのアーティストが配信にスイッチしていく流れで、ネモフィラもけっこう早くその流れに乗れた感じですね。

 

この時演奏された「Life」の映像がネモフィラ公式YouTubeチャンネルにアップされています。
これに関しては1stシングルについて書いた別の記事で書いてますので、良かったらご覧ください。

 

そして、そのライヴの同日つまり2020年8月22日にリリースされたのが、今日ご紹介するネモフィラ2ndシングル雷霆 -RAITEI-」ということになります。
カップリングの「SORAI」と共に、このライヴでも披露されているようですね。
今回の曲もネモフィラの魅力がたっぷり詰まっていますので、ちょっとばかり語らせていただきたいと思います。

トラック1 雷霆 -RAITEI-

作詞 Yuko Miyakoshi 

作曲 Kensuke Akiyama

編曲 不明

作曲はおなじみ秋山健介さん、そして今回作詞には宮腰侑子さんという方がクレジットされています。
作詞をした宮腰さんは、ある記事では「圧巻のスキルとセンスを発揮するアニメ好きベーシスト」と紹介されています。
2008年から2018年まで「指先ノハク」というバンド(最初の数年は「RADITZ」というバンド名)でベースを弾いておられたようです。
バンド解散後は作詞作曲や、サポートベーシストとして活動中とのこと。

 

そんな宮腰さんが、作詞、また曲のタイトルもつけておられます。
もともとmayuちゃんが作詞に挑戦しておられたようですが、泥沼にはまってしまい、宮腰さんに書いてもらうことになったようです。
とは言え、多少はmayuちゃんの思いも含まれているようですが、やはり詩の世界もそんなに簡単に出てくるもんじゃないんですね。

 

ちゃっきー今回の歌詞は難産だったと言っておられます。
mayuちゃん宮腰さんが2~3週間ずっとやりとりしてて、もはやちゃっきーをして「血と汗と涙しか入ってない歌詞」と言わしめるほど大変だったとか。
それで、mayuちゃん宮腰さん、他の作家さんなどの4篇ほどの歌詞を出して、その中からコンペをやって選んだようですね。
かなり大変だったようですが、時間をかけてじっくりみんなで考えた結果、mayuちゃんの思いが届くいい歌詞になったと感じているようです。
作詞のクレジットこそ自分ではないものの、mayuちゃんも最終的にはこの歌が自分のものになってすごく好きな曲になったと語ってます。

 

そもそも雷霆(読み:らいてい)とは辞書を引くと、「激しいかみなり」の意味だそうです。
僕は、こんな言葉聞いたことなかったですね(霆の字なんか見たこともなかったですw)。
mayuちゃんによると、この雷霆とは天空の神様のゼウスが持っている雷、とのことです。
まあ、この轟音のはじける楽曲にはぴったりのタイトルではあると思います。

 

僕にはAメロBメロの歌詞は今一つわかりづらいのですが、曲の雰囲気には合ってるとは思ってます。
難しい日本語も混じってて、理解しにくいとこもありますが、韻が踏まれてて、曲に乗ってる感があります。
でも、サビの

君は輝けるよ 何度だって 手を伸ばして
僕が信じた君を 信じ続けて
君は輝けるよ 何度だって 忘れないで
僕が信じた君の 光を放て 見失わないで

こんな表現からmayuちゃんの思いを感じられる気がしてます。
mayuちゃんも自分で最後まで表現できなかった悔しさもあるようですが、プロの作詞家のスキルに触れて勉強になった、とあくまでも前向きなのが好感を持てます。
ちなみに、mayuちゃんのツイッターではこの部分は「きーみーは かがやけーるよ!! なんどだってぇぇぇぇぇ!! てをのっばしてぇぇぇえ!」と表現されてます。
重厚で高速なバンドサウンドの上に乗っかる、この伸びやかキャッチーな歌メロとの相性が絶妙だと感じますね。

 

さて、楽曲の方は秋山健介さん作曲ということですが、さらにヘヴィ&ファストな楽曲を提供してくれてます。
今回のは前シングルOIRAN輪をかけて豪快で、轟音響くメタリックソングになってますね。
めっちゃかっこよすぎます。
何と言ってもこの重厚な疾走感がたまりませんね。

 

もともとデモの段階でも速い楽曲で、それに合わせてギターリフ、ソロを詰めていくのは、これまた難産だったようですね。
その甲斐あって、ギターソロがたっぷり完成度の高いものを聞かせてくれます。
1番の歌メロ後に、ちゃっきーの8小節のギターソロ。
これはワウペダルを踏んでささっとワイルドにキメてます。
そして間奏のギターソロでは、葉月ちゃん16小節ちゃっきー16小節ツイン8小節合計40小節に渡っての熱いプレイとなってますね。
BPMが高速なんで、終わってみればあっという間なんですが、なかなか濃い内容のソロタイムだと思います。
ラストのツインギターでの高速ハモリなんか鳥肌モノです。

 

ベースも当然ながら高速なので、ハラグチサン相当必死で練習したと語ってますね。
指弾きでこの速さは、なかなかしびれるものがありそうです。
楽曲の重厚感にしっかり貢献してると思います。

 

そしてたむちゃんのドラムですが、この速さでのツーバスは相当なものと思われます。
産休前にスタッフから、ツーバスの最速を聞かれ、頑張ればBPM200くらいかな、と答えていたそうですが、できたこの曲はBPM210
産後2か月のたむちゃんへの鬼畜の所業ですが、見事にやりきってます。
母は強しというわけでしょうか。
さらにパワーアップしたたむちゃんにさらに期待できそうです。

 

楽曲全体の感想ですが、もう、なんとも言えない爽快感にあふれてます。
ヘヴィな高速ギターリフに、重厚なベースラインとドラミング、そしてギターソロではたっぷりとテクニカルプレイ
歌メロは、低音ヴォイスから始まりますが、サビでは伸びやかに歌い上げてます。
サビメロのキャッチーさが、また一つの魅力とも思います。
イントロからぶっ飛ばし、アウトロでは畳みかけるように一気にフィニッシュ
もう、清々しいとしか言いようがありません。

 

ちなみに、水ネモ(ネモフィラのツイキャス)でこの曲のリリースの告知をやってます。
が、その告知を上回る、たむちゃんキングオブコントに応募したネタで盛り上がってました。
結局、バンドメンバーでキングオブコントを目指すため、ライヴのMCでまずは鍛えよう、なんて話になって、とてもこんな地獄サウンドを出してる人たちとは思えないゆるふわトーク全開です。
とどめはハラグチサンによる突然の、「隣人のトロンボーンが聞こえる」という謎の発言もあり、もはや雷霆の告知どころではなくなってます。
結局、mayuちゃんの言った、「キングオブコントを目指してるとは思えない硬派な曲」というのがこの曲の最大のキャッチコピーかもしれませんw
まさにゆるふわ全開の雷霆告知!?となってました。

 

豪速球一発勝負と感じられる、ストレートなドライヴィングサウンドがまた新しい魅力として加わりました。

 

この曲は全国音楽情報TV『MUSIC B.B.』にて10月度のパワープレイとして流されてます。
こんなタイアップが増えるごとに、ブレイクも早まっていくと期待できますね。

 

そしてこの曲ではバンド初のMVが制作されています。
公式YouTubeチャンネルでも公開されており、5月現在で67万再生を超えています。
シンプルで色味を落とした映像世界の中で、ネモフィラブルーが輝いてます。
この際立った青味が、非常にクールな世界観を醸し出してますね。
楽曲に合った、とてもかっこよいMVです。

トラック2 SORAI

作詞 mayu

作曲 Kensuke Akiyama

編曲 不明

この曲は秋山健介さん作曲、mayuちゃん作詞の鉄板曲となってます。
バンド結成初期の頃からライヴではプレイされている定番曲がついに音源化されました。

 

タイトルのSORAIは、由来となる漢字では「爽籟」で、さわやかな秋風、という意味だそうです。
またまた難しい漢字が使われてますね。
しかし、こっちは雷霆とは異なり、アルファベットのタイトルにされています。

 

この語源の感じからもわかるように、今回もmayuちゃん、和風のテイストで攻めています。
mayuちゃん

人生を迷ってる人が、良い方と悪い方のどっちに傾いてしまうかを書いた曲なんですけど、そこに秋の風が吹いて変わっていく

というのがテーマと語ってます。
最終的には吹いてくる風を待つのではなく、自分で風を起こすぐらいの強い思いが含まれているようです。

 

にしても、とても書けない見たこともない漢字が並んでます。

燦燦(さんさん)
藹藹(あいあい)
凛凛(りんりん)

でも、楽曲の中では、とてもしっくりしてますね。
和風テイストと、地獄のゆるふわサウンドはとても相性が良いようです。
mayuちゃんが歌う和の世界は非常に魅力的だと思います。
個人的には歌詞の中での一人称が「あたし」ってのがmayuちゃんにぴったりで、ツボだと感じてます。

 

また、通常モードの抑えた声も魅力的ですが、「さぁこの指とまれええええ」のところからのがなり声がまたまたかっこいいですね。
いいアクセントとなって曲の迫力をマシマシしてると思います。
そして、SORAI SORAI♪」のサビの掛け声は、間違いなくライヴで盛り上がるパートになってますね。
古い日本語が語源となってはいますが、それを感じさせず、非常にかっこいい言葉のチョイスではないでしょうか。

 

さて、楽曲についてですが、これまたネモフィラ新しい魅力を放つ良曲となっています。
軽い電子音から始まり、ヘヴィなギターリフがぶつかるイントロは、このバンドの重量感をたっぷり演出してると思います。
そして何といっても、このシャッフルビートが非常に心地良いと思います。

 

全編にわたってグルーヴを生み出してるハラグチサンのベース音がとても心地よいです。
併せて、たむちゃんのドラミングもシャッフルビートを軽快にたたき出しています。
サビのSORAI SORAI♪」裏で踏みまくられてるツインペダルが迫力満点ですね。
今回の曲は、ヘヴィ&グルーヴィーな作りで、またネモフィラの新たな魅力となっています。
とは言っても、やはりサビの歌メロがキャッチーなのは変わりませんね。
このフックのある歌メロこそ、単なるメタル系とは異なる、ネモフィラの強みではないでしょうか。

 

この曲のギターソロは派手さはありませんが、高速ブリッジミュートは聞いてて気持ちいいですし、やはりここでもツインギターのハモリのメロディがなんとも美しいです。
葉月ちゃんちゃっきーのプレイの役割分担がしっかりしてて、じっくり作りこんできてる、ってのは十分に伝わってきます。
ただ単に弾きまくるソロも悪くありませんが、こういうかっちりと構築されたソロが、僕的には非常に好みです。

 

この曲はネモフィラの公式YouTubeチャンネルで映像が公開されてます。
過去の2本のライヴの映像が組み合わされた内容になってます。
彼女たちバンドの演奏テクも堪能できますし、フロントを演じるmayuちゃん圧倒的なヴォーカルパフォーマンスにも釘付けになること間違いなしですね。

この映像は5月の時点で18万回再生を超えてます。
コメントもおおむねポジティヴなものであふれており、いったいどこから出てきたんだ、このスゴイバンドは、といった驚きで迎えられてますね。
まったくもって同じ気持ちですね。
ほんとにライヴが楽しみなバンドだと思います。

2ndシングルまとめ

というわけで、ネモフィラの2ndシングル収録の雷霆 -RAITEI-」「SORAI」をご紹介しました。
このシングルには、1stシングル3曲のInstrumentalが収録されていて、これがまた良いんですね。
バンドの曲はやっぱりヴォーカルの声が中心に聞こえるわけですが、ヴォーカルオフになると、すべての楽器がはっきりクリアに聞こえてきます。
それを聞くと、さらにこのバンドのメンバーのスキルの高さに改めて引き込まれてしまいます。
まだ結成してわずかなネモフィラですが、それぞれの経歴やスキルが演奏にしっかり反映されていて、本物のハードメタルバンドなんだってのを改めて発見できますね。

 

今回のシングル曲は1stで見せたネモフィラ魅力をさらに発展させた2曲になってると思います。
バンドの持つ一体感や重厚感が、さらに加速してる感じがします。

次は3rdシングルで、それらをさらに上回ってくる感じが伝えられればと思っています。