SCORPIONS(スコーピオンズ)の最高の傑作ライヴ WORLD WIDE LIVE

前作LOVE AT FIRST STING(禁断の刺青)リリース後世界ツアーを敢行





1984年のSCORPIONS(スコーピオンズ)のアルバム、LOVE AT FIRST STING(禁断の刺青)は世界で大ヒット。
アメリカではビルボード誌アルバムチャートにおいて、第6位300万枚を売り上げた。
他の国でもヘヴィメタル/ハードロックでありながら大ヒット。
ドイツ出身のバンドの人気を不動のものとした。

 

その勢いで、スコーピオンズは世界的なツアーに出る。
8月には、日本初のヘヴィ・メタルのビッグ・イベント「スーパー・ロック ’84 イン・ジャパン」に、WHITESNAKE(ホワイトスネイク)やMichael Schenker Group(マイケル・シェンカー・グループ)、BON JOVI(ボン・ジョヴィ)などと共に出演。

 

そして、その世界ツアーからベストアルバム的なライヴアルバムが作成される。
1985年リリースのWORLD WIDE LIVE(ワールド・ワイド・ライヴ)だ。

 

本作ではロサンゼルス、サンディエゴ、コスタメサ、パリ、ケルンでのライヴ音源が使用されている。
一箇所だけのライヴを収録するのではなく、世界ツアー全体の中でのベストテイクが選ばれたかたちになっています。

 

楽曲は、ギタリストMatthias Jabs(マティアス・ヤプス)が加入して作られた6thアルバム、LOVE DRIVE(ラヴ・ドライヴ)以降の楽曲で主に構成されています。

 

ちなみにMichael Schenker(マイケル・シェンカー)が所属していた1stや、 Uli Jon Roth(ウリ・ジョン・ロート)がいた2ndから5thまでのアルバムからは演奏されていない。
その頃に関心があるなら、1978年リリースのTOKYO TAPES(蠍団爆発!!スコーピオンズ・ライヴ)がおすすめだ。
ウリ・ジョン・ロートが在籍中の最後期のプレイを堪能できます。

WORLD WIDE LIVE (ワールド・ワイド・ライヴ)は素晴らしいライヴアルバムだ

このライヴアルバムは当時LP2枚組で発売されており、友達から二つのカセットテープに分けて録音してもらった。
今の今まで、数多くのライヴアルバムが多くのアーティストによってリリースされてきたが、おそらく僕にとって、このアルバムほど聞き込んだものは他にないと思われます。
2枚組みというヴォリュームがあるとはいえ、80年代に最もノリに乗っていたスコーピオンズの魅力がたっぷりと凝縮されているのだ。

 

80年代HM/HRのライヴアルバムの代表とも呼べるクオリティがあると僕は信じています。
彼らが当時目ざした、ドライヴ感のある楽曲と素晴らしいメロディ、それがこのライヴで見事にプレイされているのです。

 

では今日は、1985年リリースの、SCORPIONS(スコーピオンズ)のライヴアルバム、WORLD WIDE LIVE(ワールド・ワイド・ライヴ)をご紹介したいと思います。

WORLD WIDE LIVE(ワールド・ワイド・ライヴ)のアルバムレヴュー

 

まずは1枚目A面。

1. COUNTDOWN(INSTRUMENTAL)
2. COMING HOME
3. BLACKOUT
4. BAD BOYS RUNNING WILD
5. LOVING YOU SUNDAY MORNING
6. MAKE IT REAL

 

SEによる短いイントロダクションがあった後、いきなりCOMING HOMEのカミソリヘヴィリフ。
バラード調の前半をばっさりカット、いきなりスピーディな爽快ハードロックで幕を開ける。
この演出は、やはり当時ノリに乗っていた感じを表しているようでとても好感が持てる。

 

少し長めのマティアスのギターソロで曲が終わるやいなや、その流れでBLACKOUT
続くBAD BOYS RUNNING WILDと、ノリのいい名曲が続く
この流れは絶品だ。
もう、ニューアルバムを聴いてこのライヴに臨んだ客はたまらなかっただろう。
LOVING YOU SUNDAY MORNINGはメロウなテンポではあるが、ざくざく刻むギターリフもあり、なかなかノリのいい曲だ。
ここからのMAKE IT REALへの流れもとてもいい。
どちらもハード&ヘヴィではないものの、バンドの一体感や勢いが感じられて、ナイスなプレイとなっている。

 

ここまででA面は終わるが、やはり、名曲がぎっしりうまく選ばれているので、十分に堪能できる。

 

次は1枚目B面。

1. BIG CITY NIGHTS
2. COAST TO COAST(INSTRUMENTAL)
3. HOLIDAY
4. STILL LOVING YOU

 

B面一曲目は、最新アルバムからのヒット曲BIG CITY NIGHTS
これが盛り上がらないわけはない
曲ラストでは、観客も一緒に熱唱BIG CITY、 BIG CITY NIGHTS♪”
めっちゃいいではないか。

 

次はLOVE DRIVEからのインスト曲COAST TO COAST
やはり、二人のギタリストを擁するというのは大きな強みだ。
ゆったりと壮大に曲世界を楽しませてくれる。

 

そしてバラード2連ちゃんHOLIDAYSTILL LOVING YOU
スコーピオンズの目ざすものの一つがパワーバラードだが、ここで2曲続けてきた。
どちらも超名曲で、観客の反応も上々だ。
手拍子したり、コーラスに参加する様子は、このバンドがいかに愛されているかを感じさせてくれる。

 

B面は半分がバラードとは言え、やはりスコーピオンズの魅力の一つなので、決してだれることはない。

2枚目A面

1. ROCK YOU LIKE A HURRICANE
2. CAN’T LIVE WITHOUT YOU
3. ANOTHER PIECE OF MEAT
4. DYNAMITE

 

2枚目の一曲目はROCK YOU LIKE A HURRICANE、新作からのヒット曲だ。
これも盛り上がらないはずがない。
何度聴いてもかっこいい曲だ。

 

そしてCAN’T LIVE WITHOUT YOUスピード感ある楽曲だ。
非常にノリが良く楽しめる。
その流れでヘヴィ&スピーディーなANOTHER PIECE OF MEAT
とどめはDYNAMITE

 

この面は、ハード&ヘヴィで固めてきた。
さすがジャーマンメタルバンド、と言えるかっこいいプレイを立て続けに聴かせてくれる。

 

2枚目B面。

1. THE ZOO
2. NO ONE LIKE YOU
3. CAN’T GET ENOUGH, Pt. 1
4. SIX STRING STING(INSTRUMENTAL)
5. CAN’T GET ENOUGH, Pt. 2

 

B面一曲目は、ゆったり横ノリの名曲THE ZOO
彼らの懐の深いプレイが楽しめる。
次は、ヒット曲NO ONE LIKE YOU
非常にキャッチーでかっこいい曲だ。

 

続いてさらに激しい曲CAN’T GET ENOUGH
もともと短い曲だが、その間にマティアス・ヤプスのソロインスト、SIX STRING STINGを挟んでヴォリュームアップされている。
もう一度CAN’T GET ENOUGHに戻って大団円。

 

この面もなかなかハードでかっこいいと思う。

まとめとおすすめポイント

1985年リリースの、SCORPIONS(スコーピオンズ)のライヴアルバム、WORLD WIDE LIVE(ワールド・ワイド・ライヴ)はビルボード誌アルバムチャートで第17位、アメリカで100万枚を売り上げました。

 

このアルバムの特徴はと言えば、やはりベスト盤的なセレクションがなされていることでしょう。
厳密に言うと、ギタリスト、マティアス・ヤプス加入後のアルバムからのベストセレクトです。

 

ウリ・ジョン・ロートからマティアスにギタリストが変わったタイミングで、スコーピオンズは音楽的に大きな変化を遂げました。
プログレやサイケなど多くの要素が入っていた初期の音楽から、正統派のハードロックへと変貌を遂げたのです。
サウンドはプロフェッショナルなメンバーによってしっかり固められ、それに加えてメロディアスでキャッチーなサウンドを作り出しています。
まさに80年代に求められていた、アリーナロック的、商業的なロックに変わったのだ。

 

僕はそれを肯定的に捉えています
他の人が産業ロックなどと揶揄しようが、いいものはいいのです。

 

実際優れた楽曲がこのライヴアルバムを彩っています
そしてオーディエンスが熱狂的に反応している様子も収められています。
それこそ、彼らの音楽性が間違っていないことの証だと思います。

 

音楽性に関して言えば、二人のギタリスト、マティアスとルドルフの見事なツインギターが楽しめます。
やはり、ライヴで優秀なギタリストが二人いる、というのは非常に大きな強みと言えるでしょう。

 

そして、レコード同様、安定したハイトーンを聴かせてくれるクラウス・マイネのヴォーカル。
やはりこれこそがスコーピオンズの顔であり、最大の特徴だと思えます。
伸びやかなその声が観客を煽り、名曲を歌い上げる。
それはアルバム全体にいえる事で、バンドの安定感、そしてヴォーカルの安定感こそが安心して何度も楽しめる大きな要因になっていると言えるでしょう。

 

本来は、一箇所でのライヴをまるごとパッケージするのが望ましい気がするのだが、このアルバムは各地のベストテイクを集めた形になっています。
それによって多少、曲と曲のずれが生じてはいるものの、そこに目を向けなければ、単純に良いものを楽しめる、という肯定的な要素が浮かび上がってきます。
なので、そこに関しては、多くを語らないでおきます。

 

とにかく、バンドが一番ノッていた、勢いのある雰囲気を収めたこのアルバムはHM/HRファンには必聴のライヴアルバムだと思われます。
また、スコーピオンズ初心者にも最初におすすめしたいアルバムでもあります。

 

80年代にきらめいていた、若さあふれる熱いライヴをお楽しみください。

チャート、セールス資料

1985年リリース

アーティスト:SCORPIONS(スコーピオンズ)

ライヴアルバム、WORLD WIDE LIVE(ワールド・ワイド・ライヴ)

ビルボード誌アルバムチャート第17位 アメリカで100万枚のセールス

 

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