聴き込むほどに味が出た JOURNEY ー RAISED ON RADIO~時を駆けて




ついにリアルタイムでアルバムを購入

FRONTIERS(フロンティアーズ)に圧倒され、ESCAPE(エスケイプ)に遡ってジャーニーの魅力にどっぷりはまった僕はついにリアルタイムでジャーニーのニューアルバムを待つことになります。

 

アルバム発表の情報が入ったとき、どれほど歓喜し、期待しただろう

 

ちょうど、高校1年生になった春についに念願のCDプレーヤーを購入し、手持ちのラジカセにLINE接続して部屋の音響機器がアップグレードしたばかりだ。
人生初購入のCDはSTEVIE NICKSROCK A LITTLE
2枚目がVAN HALEN5150
ラジカセはちゃちなものだったが、CD再生の音は、今までのLPレコードから録音したり、FMラジオをエアチェックしたカセットテープとは比較にならないクリアなものであることはすぐにわかりました。
そんな僕にとって人生3枚目のCDとなるジャーニーの新譜に期待しない理由は何もありませんでした

 

1年前の1984年にはスティーブ・ペリーはソロアルバム、STREET TALK(ストリート・トーク)をリリースしており、そのアルバムでジャーニーとは違う魅力満載だっただけに、ジャーニー新譜への期待は半端なかったのです。

 

高校近くのレコード屋さんで発売前に予約して、ついにRAISED ON RADIOが自分のものとなります。
やはりリアルタイムというのはいいものですね。
ついに本当のジャーニーファンになったと感じて気分よく家に帰り、ついに針を落とす、いや、再生ボタンを押します。

 

一般に大成功したアルバムがあると、ファンは次のアルバムも同じようなものを望むものです。
前のアルバムがお気に入りであればあるほど、アーティストには冒険するのではなく、同じ方向でより良いものを求めるのはありがちなことではないでしょうか。

 

ジャーニーの新譜にも僕は同じ感情を抱いていました。
ESCAPEFRONTIERSと続いたメロディアスで爽快なハードロックに混じるバラードやミドルロックの名曲たち。
そんな楽曲に出会いたいと思ったのは当然の期待でしょう
当時の多くの人も同じように感じてたのではないでしょうか。

 

しかし、ふたを開けるとちと予想とは違う音がそこから聞こえてきます。
なんだ、これは。
これがジャーニーか

 

その変わり様に僕はたまげたとともに、幾らかの失望感を覚えていました。

 

CDのライナーノーツを読んでわかりましたが、今回はリズム隊の二人(ドラムスのスティーブ・スミス、ベースのロス・ヴァロリー)がいなくなっているではないですか。(スティーブ・スミスは数曲だけ参加してるようだ)
そしてプロデューサーはなんとスティーブ・ペリーになってる!
これで少し見えた気がしました。
スティーブのソロ、STREET TALKでは彼のルーツであるR&Bよりの極上のポップスを聞かせてくれ、僕もとても気に入っていました。
が、まさかそのテイスト、スティーブのやりたかったことがジャーニーに反映されたというわけなのではないだろうか。

 

残念なことに僕の望んでいた爽快なハードロックなバンドテイストRAISED ON RADIOでは影を潜めていました。
代わりに、R&Bやファンクなどの要素が加わり、また今まではなかったサックスやブルースハープなどの新しい楽器も取り入れられています。
方向性が変わった、と言えば、それまでだけど、高校一年の僕は残念でしかありませんでした。

 

が、しばらく聴いていると、大事なことが見えてきます。

 

芯となる部分、つまりニールのハイレベルなエレキギタージョナサンのメロディアスなキーボード、そしてスティーブの情感たっぷりに歌い上げる美しいハイトーンボイス
これらは何も変わらずこの作品の根底にある、ということです。
そしてこの主要三人の生み出す楽曲もよくよく聴くと相変わらず優れているのにも気づいてきました。
そしてハードロックではなくなったものの、厚みのあるコーラスワークも健在です
美しいハーモニーを随所で聴くことができます。

 

結局僕はこのアルバムを大好きになってしまったのでした。

 

では今日は1986年リリースの、ジャーニーの9thアルバム、RAISED ON RADIO~時を駆けて、をご紹介します。

RAISED ON RADIO~時を駆けての楽曲紹介

アルバムのオープニングを飾るのは、GIRL CAN’T HELP IT(ガール・キャント・ヘルプ・イット)。

 

イントロから優しく変化してます。
キーボードにエレキが絡むところはジャーニーそのものです。
しかし、やはりドラムとベースのリズム隊が、前2作とは明らかに違ってます。
なんか、かっちりしすぎているというか、あの、バンドの一体感とは別物のサウンドになっています。

 

でも、曲のメロディがとてもいいのは相変わらずです。
さすがのジャーニークオリティは健在です。
アルバムの出だしにはちょっと地味かなとも思いましたが、聴けば聴くほどはまっていきました。

 

やはりサビのスティーヴのヴォーカルと、他のメンバーのコーラスワーク
これはたまりませんね、美しすぎます。
また、ラストはバックの演奏が終わって、コーラスだけが残ります。
その部分のコーラスなどは、鳥肌モノです。

 

いやいや、相当いいですよこれは。

 

この曲はアルバムからの3rdシングルとしてリリースされ、ビルボード誌シングルチャートで第17位、同誌Mainstream Rockチャートでは第9位を記録しています。

 

2曲目はPOSITIVE TOUCH(ポジティヴ・タッチ)。

 

軽快なピアノと共に始まる、ノリのよい楽曲です。
これも今までのジャーニーにないサウンドなので、戸惑ってしまいましたが、やはり後からジワリと良さに気づきました。

 

途中に挟まるニールのギタープレイ一つ一つがかっこいいですね。
しかし、やはり、間奏のサックスはどうしても、受け入れにくいかな。
5人のメンバーの音で作って欲しいと思うのは贅沢なのでしょうか。
でも、サックスも、楽曲の雰囲気にはあってますので、次第に気にならなくなるという、魔力がありますね。

 

でも、僕の希望としては、サックスパートはニールのギターに任せて欲しかったと思います。
それでも、なかなかないい曲ですよ、これも。

 

3曲目はSUZANNE(スザンヌ)。

 

これは、たまらなくいい曲ですね。
この爽快なイントロから完璧です。
浮遊感を感じられる心地よいイントロですね。
ジョナサンのキーボードが素敵な世界を創り出しています。
加えて、ニールのギターも、心地よく楽曲を彩っています。

 

相当キャッチーな楽曲ですが、やはりスティーヴのヴォーカルあって完成ですよね。
少し抑え目に歌うAメロBメロですが、サビは力強く伸びやかに見事に歌い上げてます。
これが聴きたかったんですよ、まさに。
そして、ニールのギターソロも、弾きまくってはないですが、ツボを抑えた見事なメロディを奏であげてます。
ラストのスティーヴの大サビにも感動できます。

 

これは素晴らしい、と最初から思ってましたよ。

 

この曲は2ndシングルとしてリリースされ、ビルボード誌シングルチャートで第17位、同誌Mainstream Rockチャートでは第11位を記録してます。
この曲もVAN HALENDREAMSと同じく、PVさえ作ってたら間違いなくもっと大きなヒットになってたと思われるのですが、そこだけが残念です。

 

4曲目はBE GOOD TO YOURSELF(トゥ・ユアセルフ)。

 

そして、先行シングルとして登場したこの曲は、バンドサウンド全開です。
前2作ほどハードではありませんが、バンド感をたっぷり楽しめる楽曲になっています。
イントロのニールのギターグリッサンドから始まるこの曲は、爽快なロックンロールですね。
適度にジョナサンのキーボードが加わり、非常に爽快です。

 

また、サビでのスティーヴとメンバーによるコーラスワークも完璧です。
もう突き抜けるようなかっこいい楽曲です。
そして、曲後半は、ニールのギターソロタイムがたっぷりと用意されてます。
まずはメロディアスに、弾き始めますが、次第に速さを増し緩急自在のソロを披露です。

 

この曲は1stシングルとしてリリースされ、シングルチャートで第9位、同誌Mainstream Rockチャートでは第2位のヒットとなっています。

 

5曲目はONCE YOU LOVE SOMEBODY(ラヴ・サムバディ)。

 

思わず腰がうねりそうなベースとギターのリズムが印象的なファンキーソングです。
これまたジャーニーの新境地と言えるでしょう。
とはいえ、サビになると、相変わらずのジャーニー節を聴かせてくれます。

 

そして、堂々たるニールのギターソロもいいですね。
短いですが、存在感は抜群です。
R&Bの要素は、完全にスティーヴの持ち込んだものなんでしょうね。
でも、ジャーニーはそれを見事に吸収し、ジャーニーらしく仕上げて見せてます。
その辺がやはりプロの腕前なのでしょう。

 

6曲目はHAPPY TO GIVE(愛の贈り物)。

 

イントロが美しいが、やはり今までと違う入り方なので最初はちょっと戸惑いました。
でも、やっぱりジャーニーだ。
イントロでのギターとシンセの絡まった旋律が美しすぎます。
しかし、途中からは大きなノリのミドルロッカバラードになってます。

 

スティーヴのヴォーカルが非常に力が入ってます。
とりわけ美しいサビメロを披露です。
またサビでは惚れ惚れとするハーモニーが聞けます。

 

ただ、終わり方がなんか中途半端なのがもったいないとは思いました。
でも、とっても美しいいい曲です。

 

7曲目はRAISED ON RADIO(レイズド・オン・レイディオ)。

 

いきなりブルースハープで始まります。
これも、新たな展開といえるでしょう。
しかし、曲はこれまでの流れを汲むバンドサウンドで、アルバムの中では早々に気に入った部類の楽曲になります。
やっぱりこんな曲書かせたら、見事だし、やはりバンドサウンドいいなと思わせてくれます。

 

細かいこと言えば、ドラムとベースがきっちりしすぎてるかな、って感じは受けますね。
サポートミュージシャンが弾いてるからそんなもんだろうとは思うけど、やはりスティーブ・スミスの強く荒々しいドラムにロス・ヴァロリーの動き回るベースラインが惜しまれます。

 

でも、爽快なロックンロールとなっていて、どちらかというとこのアルバムの中では逆に異質なほうかもしれません。
ラストのニールのソロと、ギターリフが非常にかっこいいです。

 

8曲目はI’LL BE ALRIGHT WITHOUT YOU(アイル・ビー・オールライト)。

 

これは、最初はなぜか耳を素通りしてしまっていて、その良さに気づくまでにちょっと時間がかかった曲です。
やはり高校生の僕にはこんなアダルティな楽曲は早かったのでしょう。
しかし、結局は気づいてしまいました。
なんて名曲なんだろう。

 

よくジャーニーはAOR (アダルト・オリエンテッド・ロック)に属するという声を聞くことがあり、僕は、それは違うだろうと常々思っているのだが、この曲に関してはまったくAORそのものだと言わざるを得ない。
なんて気持ちの良い曲なんだ、って思うし、ニールの円熟したギタープレイが満載の曲でもある。
コーラスもいつもどおり絶妙にハモって爽やかさも感じられる。
このアルバムの中では、僕の中ではこの曲がベストだと思っている。

 

とんでもないこの名曲は、4thシングルとしてリリースされ、シングルチャートで第14位、同誌Mainstream Rockチャートでは第26位、同誌Adult Contemporaryチャートでは第7位を記録しています。

 

9曲目はIT COULD HAVE BEEN YOU(過ぎ去りし想い)。

 

これまたこれまでにないテイスト全開の楽曲です。
イントロのギターリフも独特で、慣れるのに時間がかかりました。
しかし、聞き込んで行くとジャーニーの新たな面として評価できるようになってきました。
こんなノリの曲も出来るんだ、と幅が増えたと次第にポジティヴに受け入れることが出来たのです。

 

ていっても、サビはいつものジャーニー節です。
ギターソロもニールらしいメロディアスなものです。
後半はちょっと大げさな演出もありますが、全体としてはなかなかな良い曲になっています。

 

10曲目はTHE EYES OF A WOMAN(アイズ・オブ・ウーマン)。

 

この曲も、スティーブの伸びやかなハイトーンヴォイスがフィーチャーされていると共に、コーラスが空間処理されててふわふわと気持ちよいひと時を提供してくれます。
特にドラムのリズムパターンが独特なので、これまでにない雰囲気で、ジャーニーの新たな面を作り出してます。
しかし、サビではいつもどおり安定のジャーニー節を聴けて安心です。
これもとても美しい楽曲です。

 

アルバムのラスト11曲目はWHY CAN’T THIS NIGHT GO ON FOREVER(永遠への誓い)。

 

いや、完璧なバラードですね。
これはスティーブとジョナサンの共作です。
こういうバラードを作らせたら天下一品ですね。
見事に期待通りの作品となってます。

 

展開がドラマティックですし、何よりもエモーショナルなスティーヴのヴォーカルには鳥肌が立ちます。
ラストのスティーヴのヴォーカルと絡むニールのギターソロが非常にいいですね。
アルバムを締めくくるにふさわしい素晴らしいバラードになっています。

 

この曲は5thシングルとしてリリースされ、シングルチャートで第60位、Adult Contemporaryチャートでは第24位を記録しています。

まとめとおすすめポイント

1986年リリースの、ジャーニーの9thアルバム、RAISED ON RADIO~時を駆けて、はビルボード誌アルバムチャート第4位、全米で200万枚の売り上げとなりました。
前の2作と比べるとセールス的にはちょっと地味ですが、決して失敗作の数字ではありません。

 

こうして振り返ると、なんで僕は最初がっかりしたんだろうか、と思えるほど実はこの作品は傑作でした。
スティーブがソロを経験して持ち帰ったものは、ジャーニーに新たな魅力を加えるのに役立ったんだ、ってことに後から気付けたんですね。
聴き込めば聴き込むほど、結局ジャーニーの新たな魅力が発見できたということになります。
このアルバムでの多様性があったことで、10年後の次作TRIAL BY FIRE(トライアル・バイ・ファイア)での多様性も容易に受け入れられたんじゃないか、って思いますね。
思うに、RAISED ON RADIOでの変化がなかったら、前2作のような同じ系統のアルバムをあと一つか二つ出して、次第に飽きられてジャーニーは終了していたんじゃないでしょうか。
長く続けるための勇気ある変化だったと、僕は思いたいです。

 

とは言っても、このアルバムのツアー中の1987年にスティーブはジャーニーを脱退。
バンドで長く続けるのは難しいんだなと高校生ながらがっかりしたのを思い出せます。

 

でもESCAPEFRONTIERSRAISED ON RADIOの3部作を残してくれたことに僕は強く感謝したい。
アーティストはいつかいなくなることはあっても、作品はずっと残るのです。

 

ずっと輝き続けるこれらの作品をこれからも大切にしていきたいと思うし、多くの人に聴いてもらいたいとも思います。

 

なんて書いちゃうと、ジャーニーは終わったって感じになるが、スティーブなき後もアーネル・ピネダの加入により、今でも現役続行中だ。
そして今年2017年にはロックの殿堂入りすることが決まっている。
授賞式は5日後の4月7日にブルックリンにあるバークレイズ・センターで行われるそうだ。
そこでジャーニーの受賞の祝いでスティーブ・ペリーが顔を出すんじゃないかとかすかに期待されているが、どうなるだろう。
個人的には、ぜひとも一日だけでもスティーブとジャーニーの競演を見てみたいものだ。

 

追記:スティーヴは実際顔を出してコメントを述べました。
でも、競演には至りませんでした。
しかし、笑顔で互いと話している様子だけで、こちらも幸せを感じることができました。

チャート、セールス資料

1986年リリース

アーティスト:JOURNEY(ジャーニー)

9thアルバム RAISED ON RADIO~時を駆けて

ビルボード誌アルバムチャート第4位 アメリカで200万枚、世界で400万枚セールス

1stシングル BE GOOD TO YOURSELF(トゥ・ユアセルフ) ビルボード誌シングルチャート第9位、同誌Mainstream Rockチャート第2位

2ndシングル SUZANNE(スザンヌ) シングルチャート第17位、Mainstream Rockチャート第11位

3rdシングル GIRL CAN’T HELP IT(ガール・キャント・ヘルプ・イット) シングルチャート第17位、Mainstream Rockチャート第9位

4thシングル I’LL BE ALRIGHT WITHOUT YOU(アイル・ビー・オールライト) シングルチャート第14位、Mainstream Rockチャート第26位、Adult Contemporaryチャート第7位

5thシングル WHY CAN’T THIS NIGHT GO ON FOREVER(永遠への誓い) シングルチャート第60位、Adult Contemporaryチャート第24位





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