JOURNEYの黄金時代 JOURNEY ー FRONTIERS




ジャーニーの最高傑作とは?

 

よく、ジャーニーの最高傑作はどれだ、といろんな人がいろんな思い入れをもって語っているのをネットで見かけますが、僕の中ではやはりこの1983年にリリースされた、FRONTIERS(フロンティアーズ)で決まりということになります。

 

その理由は難しくないです。

 

僕のジャーニー初体験がセパレイト・ウェイズであり、その後に聞いた初アルバムがこのFRONTIERSだから、ということに尽きます。
まだ洋楽を聴き始めて2年も経たない中学生の僕にとっては聴ける音楽の絶対量は限られていたので、それこそ何十、何百回もこのアルバムを聴いたものです。
後から思うと、さほどハードなアルバムではないが、当時の僕にとっては十分ハードでかっこよく感じられました。
加えて、ハードな曲の間に挟まれるメロディアスなバラードミドルテンポのロックな楽曲たちは、最高にバランスの良いものとも感じられました。

 

今日は1983年にリリースされた、JOURNEY(ジャーニー)の8thアルバム、FRONTIERS(フロンティアーズ)をご紹介したいと思います。

アルバムFRONTIERSの楽曲紹介

オープニングを飾るのは、WBCでも使われたハードでありながらキャッチーでもあるSEPARATE WAYS(WORLDS APART) (セパレイト・ウェイズ)。

 

これは何度聴いても色あせることはありません
最初はこれだけ頻繁にテレビで使われると飽きるかも、と思ったが、僕はやはり飽きることはありませんでした。(世の中の人は何でこの曲がテーマソングに選ばれたんだろうと不思議に思っているみたいですが、僕もそう思います。侍JAPANを応援するのなら、日本人アーティストの曲を選ばなきゃ。でもだからといってこの曲の良さが色あせるわけではない。)

 

この曲は、前アルバムのESCAPEツアー中に、書かれたようです。
スティーヴとジョナサンがバックステージで、スティーヴがベース、ジョナサンがギターでメロディを作っていき、翌日の昼には歌詞も完成。
そして、ツアー中に披露すると、観客は素晴らしい反応を示したそうです。
ちなみに最初に披露したのは、カリフォルニアのDay on the Greenコンサートで、そこで、スティーヴは2週間前に出来た曲だといって紹介し、プレイしました。
しかし、ブートレッグのレコードが残っていて、その少なくとも一ヶ月前にもこの曲を披露した記録があります。
そしてそこでも、スティーヴは2週間前に出来た曲と紹介したらしい・・・です。
真相はいかに。
とにかく、アルバムよりだいぶ早くからこの名曲は生まれ、ラッキーにもそれを聴いていたオーディエンスがいたわけですね。
まったくうらやましい限りです。

 

この曲はアルバムの先行シングルとしてリリースされ、ビルボード誌シングルチャートで6週連続で第8位を記録。
ちなみに同誌Mainstream Rockチャートでは堂々の4週連続No.1を獲得しています。

 

2曲目はSEND HER MY LOVE(マイ・ラブ)。

 

ミドルテンポのバラードになっています。
メロディが非常に美しいです。
そして、ニール・ショーンのギタープレイが情感たっぷりで素晴らしすぎます。
また、シンセも美しく楽曲を彩っており、このような楽曲にジョナサン・ケインの加入によるいい影響を感じられます。
とても気持ちの良い爽やかな楽曲です。

 

これはジョナサンが、休み時間に聴いていたビートルズのレコードからコードをふと思いつき、スティーヴが即座にメロディーをつけた、という楽曲です。
やはり優秀なミュージシャンが集うと、さまざまなミラクルが起きるものですね。

 

この曲はアルバムからの4枚目のシングルとしてカットされ、シングルチャートでは第23位をマークしました。
また同誌、Adult Contemporary チャートでも27位となっています。
このような大人な雰囲気のある楽曲が、ジャーニーはAORだと言われる所以なのかもしれませんね。
僕はこのゆったりした懐の深い楽曲は大好物です。

 

3曲目はハードに聞かせてくれるCHAIN REACTION(チェイン・リアクション)。

 

結構ハードなんだけど、他のハードロックとの違いはスティーブのボーカルは当然のこと、メンバーによるコーラスワークによるものだと僕は思っています。
ただただ激しく歌うだけでなく、絶妙なコーラスワークが曲に爽快さを与えている、というわけです。
またニールのざくざく刻むギターリフも冴えまくってます。
非常にハードなのに、キャッチーなかっこいい曲です。

 

4曲目のAFTER THE FALL(愛の終わりに)もまたミドルテンポの気持ちよいロックになってます。

 

これもまた懐の深い曲ですね。
ジャーニーがAORだと言う人に僕は反論したいのだが、マイ・ラブや、こんな曲があるので、ある意味認めざるを得なくなっています。
イントロのギターはシンプルだが存在感たっぷりです。
サビのコーラスは、さすがジャーニーのメンバーたち、息が合って美しいハーモニーを聞かせてくれています。
最後の盛り上がりのスティーヴ・ペリーのヴォーカルも最高だ。

 

この曲はアルバムからの3rdシングルで、シングルチャート、第23位、Mainstream Rockチャートでは第30位とまずまずのヒットとなりました。

 

そして、超名曲FAITHFULLY(時への誓い)でA面が終わります(もちろんCDではなくカセットのころの話です)。

 

この曲はジョナサン・ケイン一人によるもので、当時の奥さんへの歌だったと思います。
バンドが成功してツアーに次ぐツアーで疲れ果てて、二人を遠い距離が隔てても僕は永遠に君のものだよ、という感じの内容の歌で、歌詞もメロディーも珠玉の一曲となっております。
優れたメロディーメイカーとしてのジョナサンの加入は、ジャーニーの世界的な成功の2番目の鍵だったのではないでしょうか。(もちろん一番目の鍵はスティーブ・ペリーの加入でしょう。)
そしてこの曲があったからこそ、後のアーネル・ピネダという、失ったスティーブ・ペリーに代わり得る逸材を見つけ出すことにつながったんですよね。
全く、ジョナサンの才能に感謝しておきたいと思います。

 

また、この曲はプリンスにも大きな影響を与えたようです。
彼は、これから出る自分の曲のコードチェンジが、時への誓いと似ていることを心配し、ジョナサンに電話して曲を聴いてもらいます。
確かに後半のコーラスとギターソロが似ていました。
しかし、ジョナサンは、その曲を聴いて「すごい曲だ。連絡をありがとう。気遣いのあるいいやつだね。この曲の成功を祈るよ。」と答えたそうです。

 

で、その曲が何かというと、その年の大ヒットとなるPURPLE RAIN(パープル・レイン)だったのです。
何か心温まるエピソードですね。

 

この曲は2ndシングルとしてリリースされ、第12位を記録。
またAdult Contemporary チャートでは第7位まで上昇しています。

 

そしてB面一曲目はニール・ショーンの強烈なギターから始まるEDGE OF THE BLADE(限りなき世界)。

 

これに関しては邦題の限りなき世界、ってのがぴったり世界観を表してる気がします。
この曲ではニールはギター、弾きまくってます。
後半はスティーブのボーカルとギターのかっこいい掛け合いがあり、最後はニールが弾きまくってフェイドアウト。
なかなか爽快なハードロックになってます。

 

爽快な気分で次のミステリアスな雰囲気のTROUBLED CHILD(トラブルド・チャイルド)へ。

 

この曲ではスティーブのハイトーンなロングボイスが聴ける。
同じ人間か、と思えるほどあこがれるのびやかな声だった。
ドラマティックな展開を支える確かな演奏陣。
ここにも隠れた名曲があるのです。

 

そしてBACK TALK(美しき叫び)。

 

ドラムスのスティーブ・スミスがはじけてます。
そこにスティーブのシャウト、ニールのギターがからんでかっこいいバンドサウンドのできあがり。

 

そしてラスト前にアルバムタイトル曲FRONTIERS(フロンティアーズ)。

 

ESCAPEで過去の殻から脱出して、新たな世界への開拓者精神(フロンティア・スピリット)を示してくれる楽曲で、近未来っぽいSEもちょこっと入ったりしてなかなかな挑戦曲だと思います。
しかし、ラストではやはり絶妙なコーラスワークでびしっと決めてくれますね。爽快!

 

そしてアルバムを締めくくるのはRUBICON(永遠なるルビコン)。

 

ローマ時代のカエサル(シーザー)が元老院の指示にそむいてルビコン川を渡った、という故事から、ルビコン川を渡るとは、後戻りできない重大な決意とそれに伴う行動を起こすという意味があるようです。
歌詞の中で、make a move across the Rubiconとあり、ルビコン川を渡って行けと歌っています。
まさにこのアルバムのテーマである新たな世界への開拓を歌ったものであり、彼らの決意の程がうかがい知れます。
ESCAPEでの成功に甘んじることなく、よりハードにより重厚なバンドサウンドを作り上げることによって、確かに彼らは新しいことをやってのけたんじゃないかと僕は思っています。

 

僕のアルバム評

 

こうしてアルバム全体を振り返ってみましたが、やはり粒ぞろい捨て曲なしのいいアルバムだなあと感じます。
多くのハードロック好きからすると少々メロウ過ぎて物足りなく、かといって普通のポップス好きからするとうるさすぎる、という感じで、好き嫌いが分かれるし、評論家受けもいまいちでした。(かの渋谷陽一氏なんかはジャーニーを産業ロックの代表のように考え、全く雑誌で取り上げてなかったのも思い出されます。)

 

評価は難しいところだけど、そのようなニッチな部分を愛する僕にとっては究極のバランスの良さを感じられて、何よりも全米で600万枚以上売り上げ、ビルボード誌で9週連続2位になったこと自体が(1位になるのを妨げたのは、37週にわたって首位を独走していたマイケル・ジャクソンのモンスターアルバム、THRILLER。これはやむを得まい。)多くの人がこのバンドを気に入って愛したことの証拠だと言えるでしょう。

 

このアルバムで初めてジャーニーにふれて、ESCAPE(エスケイプ)にさかのぼり、そして新譜を待つこと3年、1986年にRAISED ON RADIO(Raised On Radio〜時を駆けて)が僕にとっての初のリアルタイムのジャーニーということになります。
しかし、残念なことにベースのロス・ヴァロリーとドラムスのスティーブ・スミスの名前が消えていました。
つまり、スティーブ・ペリー、ニール・ショーン、ジョナサン・ケインの3人だけがジャーニーのメンバーとして残ったということになります。
主力の3人が残っているのでよいのだが、あのFRONTIERSで見せてくれた、バンドサウンドと一体感は新作ではあまり感じられませんでした。
もちろん、嫌いなわけはないです。
素晴らしいアルバムだとも思っています。

 

ただ、僕にとってはアルバムFRONTIERSで見せた、あの5人の作り上げたサウンドこそが、ジャーニーの黄金期というミラクルそのものなのだと今でも堅く信じているのです。

まとめとおすすめポイント

これはバンドサウンドが好きな人にはぜひ手にとって聴いて欲しい名盤だと思います。

 

ゴリゴリのハードロックではありませんが、バンドの持つダイナミックスは十分感じられると思います。

 

そして何よりメロディアスでキャッチー。

 

スティーヴ・ペリーのヴォーカルも堪能してほしいものです。

チャート、セールス資料

1983年リリース

アーティスト:JOURNEY(ジャーニー)

8thアルバム FRONTIERS(フロンティアーズ)

ビルボード誌アルバムチャート9週連続第2位 アメリカで600万枚セールス  世界で800万枚

1stシングル SEPARATE WAYS(WORLDS APART) (セパレイト・ウェイズ) ビルボード誌シングルチャート6週連続第8位、Mainstream Rockチャート4週連続No.1

2ndシングル FAITHFULLY(時への誓い) シングルチャート第12位、Adult Contemporary チャート第7位

3rdシングル AFTER THE FALL(愛の終わりに) シングルチャート第23位、Mainstream Rockチャート第30位

4thシングル SEND HER MY LOVE(マイ・ラブ) シングルチャート第23位、Adult Contemporary チャート第27位

 

 




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