バンド絶頂期の大ヒット名作アルバム HUEY LEWIS AND THE NEWS - FORE!

前作SPORTSからFORE!まで





1983年のアルバムSPORTS(スポーツ)で、HUEY LEWIS AND THE NEWS(ヒューイ・ルイス・アンド・ザ・ニュース)は一躍アメリカのトップバンドの仲間入りを果たしました。
ビルボード誌アルバムチャート 第1位、アメリカだけでも売り上げは700万枚を超え、大ブレイクと言っていいでしょう。

 

1985年にバンドはオールスターチャリティ企画、WE ARE THE WORLD(ウィ・アー・ザ・ワールド)に参加。
ヒューイはソロパートを彼らしく力強く歌っています。

 

また同年大ヒットした映画、BACK TO THE FUTURE(バック・トゥ・ザ・フューチャー)では主題歌THE POWER OF LOVE(パワー・オブ・ラヴ)を提供、全米No.1ヒットを記録しました。
加えて彼らは、バンドオーディションの審査員役でカメオ出演するなど、もはや時の人となっています。

 

もちろんアルバム、SPORTS(スポーツ)のリリース後にライヴツアーも行なっており、1985年には日本にも来ている。
東京では武道館で4回、NHKホールで1回の計5回の公演が行なわれ、さらに大阪、名古屋でも追加公演がおこなわれるなど、彼らのブームはアメリカだけにとどまらず、日本にも上陸していた。

 

そして、ついに新作にとりかかる。
多少レコーディングは遅れたものの、ついに1986年には日の目を見るのである。

 

では今日は1986年にリリースされたHUEY LEWIS AND THE NEWS(ヒューイ・ルイス・アンド・ザ・ニュース)の4thアルバム、FORE!をご紹介したいと思います。

アルバムFORE!の楽曲紹介

アルバムのオープニングを飾るのはJACOB’S LADDER(ジェイコブズ・ラダー )。

 

この曲はBruce Hornsby(ブルース・ホーンズビー)とJohn Hornsby(ジョン・ホーンズビー)兄弟による曲だ。

 

前作に比べるとドラムの音が強く激しくなった気がします。
その分勢いが感じられて、名作の予感が漂ってきます。
ヒューイのピュア・ゴールデン・ヴォイスも健在で安定のヒューイ・ルイス・アンド・ザ・ニュースサウンドです。
サビは非常に覚え易くキャッチーで、バンドサウンドも堅実に楽曲を支えてます。
ギターソロも派手ではありませんが、きっちり楽曲にふさわしいものが奏でられており、アウトロのソロもご機嫌です。

 

この曲はアルバムからの3rdシングルとしてカットされ、ビルボード誌シングルチャートNo.1、また同誌Mainstream Rockチャートでは第10位、Adult Contemporaryチャートでは第17位と幅広い人気を獲得しているのが窺えます。

 

2曲目はSTUCK WITH YOU(スタック・ウィズ・ユー)。

 

第一弾シングルにするにはちょっと地味かな、と当時感じた記憶がありますが、ゆったりとした3連のリズムの名曲です。
彼らのお得意のコーラスワークが曲全体を美しく彩ってます。
間奏のキーボードソロも爽やかさを演出してます。
エレキは全体の陰で目立たぬように楽曲を装飾してます。

 

決して派手ではないですが、このバンドのよさ、一体感を感じられるポップな良曲だと思います。

 

これは先行シングルとして発売され、シングルチャートで3週連続でNo.1、Mainstream Rockチャートでは第2位、Adult ContemporaryチャートではNo.1の大ヒットとなっています。

 

3曲目はWHOLE LOTTA LOVIN’(ホール・ロッタ・ラヴィン)。

 

オールディーズ風の、ノリノリのバンドサウンドを、80年代に新しく作り出した傑作である。
イントロのアカペラパートが超クールだ。
高音から超低音までの美しいコーラスを奏でられるのがこのバンドの非常に大きな魅力の一つである。

 

オールディーズっぽくはあるが、決して古臭いサウンドにはなっていません
当時のバンドサウンドでオールディーズサウンドを吸収消化して、新たに生み出しているので、古くて新しい、イカしたサウンドを聴かせてくれている。
コーラスも、エレキギターも、ヒューイのヴォーカルも、見事に軽快な楽しくノリのいい楽曲に貢献している。

 

非常に完成度の高い楽曲ではないだろうか。

 

4曲目は、DOING IT ALL FOR MY BABY(すべてを君に)。

 

これは前作スポーツのIF THIS IS IT(いつも夢見て)に匹敵する名曲である。
これも3連のリズムにのった気持ちの良い楽曲だ。
サビのコーラスも非常に美しい。
また、ちょくちょく入るホーンセクションがいい感じに曲を盛り上げている。
ギターソロも、かっちりと爽やかなメロディを奏でてます。

 

ラストのdoin’ it(doin’ it)のコーラスの追っかけなど最高である。
キーボードの音色がちりばめられているのも、楽曲をきれいに彩ってます。

 

非常に美しい楽曲だが、PVはコミカルでシュールな出来になっている。
どうしてこの曲のプロモーションでこうなった?という感じだが、おかげで5枚目のシングルに関わらず大ヒットしています。

 

アルバムからの5thシングルであるこの曲は、シングルチャートで第6位、Adult Contemporaryチャートでは第2位を記録している。

 

5曲目はHIP TO BE SQUARE(ヒップ・トゥ・ビー・スクエア)。

 

問答無用の軽快なロックンロールだ。
聴くだけでぞくぞくする名曲である。
ヒューイの破裂音満載のサビが印象的だ。
また、この曲でもバンドの一体感を強く味わえる。
ところどころ加えられるホーンセクションがいい味付けになっているし、キーボードもうまく曲を装飾している。
サックスソロも、見事に楽曲の一部と化している。
とにかく、バンドって楽しそう、って思わせてくれるいい曲だ。

 

この曲はアルバムからの2ndシングルで、シングルチャート第3位、Mainstream RockチャートではNo.1、Adult Contemporaryチャートでは第20位を記録しています。

 

6曲目はI KNOW WHAT I LIKE(アイ・ノウ・ホワット・アイ・ライク)。

 

これはゆったりリズムのロックナンバーだ。
Aメロでのエレキのクリーンカッティングが心地よい。
サビでは、コーラスと掛け合うヒューイの早口ヴォーカルがイケてます。

 

久しぶりにエレキギターのソロが聴けます。
通常はエレキはバンドの花であるので、主張が強くなりがちですが、このバンドではそうしたことはありません。
大事なところでかっちり弾くのは当然ですが、基本はバッキングや装飾音によって楽曲を飾るのに徹しています。
そのことで、他の楽器も一つ一つが要所要所で目立って、非常にバンド感を感じられる、といった具合です。
この曲もそんな楽曲の一つで、非常に良曲だと思います。

 

この曲はアルバムからの4thシングルとしてカットされ、シングルチャートでは第9位、Mainstream Rockチャートでは第25位、Adult Contemporaryチャートでは第30位を記録しています。

 

7曲目は、I NEVER WALK ALONE(アイ・ネヴァー・ウォーク・アローン)。

 

この曲はリード・ニールセンというAOR畑の人の作った楽曲だ。
爽やかなキーボードで始まる、爽快な楽曲です。
クラップも混じる中盤も印象的で、なかなかな名曲です。
明るい曲が、ヒューイのヴォーカルとメンバーのコーラスによって一層の輝きを見せてます。

 

8曲目はTHE POWER OF LOVE(パワー・オブ・ラヴ)。

 

この曲は言わずと知れた、映画BACK TO THE FUTURE(バック・トゥ・ザ・フューチャー)の主題歌だが、日欧のアルバムにのみボーナストラックとして追加された。
よってアメリカ産の輸入盤には収録されていないので気をつけてください。

 

もはやこれは何の説明もいらないほどの80年代を代表する楽曲だ。
場末の酒場でプレイしている雰囲気満載のロックソングだ。

 

やはりハスキーなヒューイのヴォーカルがこの曲を特別なものにしていると言っても過言ではないだろう。
力強い彼のヴォーカルは印象的であり、耳に残る要素十分だ。
そしてシンプルなバンドサウンドもこの曲の魅力を高めている。
特にあのギターソロは秀逸だ。
非常に渋い大人のロック曲にぴったりのプレイを披露している。

 

映画の大ヒットとの相乗効果で、この曲も大ヒット。
シングルチャートで、彼らのキャリア初のNo.1ヒットとなる。
またMainstream RockチャートでもNo.1、Adult Contemporaryチャートでは第6位を記録。
さらに、Dance Club Songsチャートでも第22位を記録した。

 

9曲目はFOREST FOR THE TREES(愛しき人々)。

 

イントロのエレキギターのソロが爽快で非常に心地よい。
ゆったりとしたリズムでヒューイが歌い上げ、メンバーがコーラスで花を添える。
とても明るく爽やかな楽曲だ。
ギターソロも、イントロ同様、心地よく気持ちよいメロディを奏であげている。
アウトロでも同じくである。
この曲はエレキの魅力をたっぷり楽しめる楽曲になってます。

 

10曲目はNATURALLY(ナチュラリー)。

 

これは完全アカペラの楽曲だ。
全くオリジナル作品だが、古くからあるスタンダードの名曲のようにも聴こえる、優れた作品だ。
やはり、彼らはコーラスワークが優れていることをはっきりと見せ付けてくれる楽曲になってます。
高音から低音まで、見事にハモって素晴らしい楽曲の土台を作り上げてます。
そしてその上にヒューイのハスキーなゴールデンヴォイスが乗って、見事に曲が完成しています。

 

バンドでも一体感は非常に強いですが、こうしたアカペラでも強い一体感を感じられます。
それと、ほんとに音楽が好きなんだろうな、ということも垣間見れて非常に好感が持てます。

 

アルバムのラスト前のアクセントとして素敵な魅力と存在感を放っている楽曲となっています。

 

アルバムラストを飾るのはSIMPLE AS THAT(シンプル・アズ・ザット)。

 

ホーンセクションで参加しているTOWER OF POWER(タワー・オブ・パワー)による豪華なイントロから始まる、しっとりゆったりの楽曲である。
これは人生の悲哀を歌ったタワー・オブ・パワーの楽曲のカバーとなってます。
ゆったりとしたリズムの楽曲を実に味わい深く再現しています。

 

こうして、アルバムは静かに幕をおろします。

まとめとおすすめポイント

1986年にリリースされたHUEY LEWIS AND THE NEWS(ヒューイ・ルイス・アンド・ザ・ニュース)の4thアルバム、FORE!はビルボード誌アルバムチャートで前作に引き続きNo.1を獲得しました。
そしてアメリカだけで300万枚を売り上げています。

 

彼らの魅力は、R&B、ブルース、カントリーを吸収し、彼らの音楽性を加味して新たに生み出したシンプルなアメリカンロックというところにあると思えます。
80年代の豪華できらびやかなサウンドとは一線を画し、ストレートに楽器の音で勝負しているのです。
しかし、それでいて80年代から逸脱しているわけでもなく、古臭くもない、当時のモダンな感覚を忘れていないのが特徴になっています。

 

そのように出来るのはやはりメンバーそれぞれの音楽的な技量にも関係するところであると言えるでしょう。
やはりライヴバンドとしてのテクも一流です。
それぞれが技をひけらかすことなく、絶妙な具合で楽曲を作り上げています。
バンド自らでプロデュースしている中で、非常にいい塩梅を見つけ出していると思います。

 

そのうえ、バンドメンバーのコーラスワークは、初期から変わらず美しいハーモニーを聴かせてくれてます。
これも、ヒューイ・ルイス・アンド・ザ・ニュースの爽やかな音楽性に大きく寄与してると言えるでしょう。

 

そして、何よりもフロントマンヒューイ・ルイスのヴォーカルがなんとも味わい深い。
彼自身、自らの声を(冗談半分で)my pure golden voiceと言っているが、彼の独特のハスキーヴォイスがバンドにいい味を加味しているのは間違いありません。
アメリカの良心とも言われたヒューイのキャラクターも、バンドの躍進に一役買っているのです。

 

このアルバムは捨て曲は一切ありません。
虚飾のない、ストレートで爽やかなアメリカンロックを聴きたいなら、間違いなくこの作品をおすすめしたいと思います。

チャート、セールス資料

1986年リリース

アーティスト:HUEY LEWIS AND THE NEWS(ヒューイ・ルイス・アンド・ザ・ニュース)

4thアルバム、FORE!

ビルボード誌アルバムチャートNo.1 アメリカで300万枚のセールス

1stシングル STUCK WITH YOU(スタック・ウィズ・ユー) ビルボード誌シングルチャート3週連続No.1、Mainstream Rockチャート第2位、Adult ContemporaryチャートNo.1

2ndシングル HIP TO BE SQUARE(ヒップ・トゥ・ビー・スクエア) シングルチャート第3位、Mainstream RockチャートNo.1、Adult Contemporaryチャート第20位

3rdシングル JACOB’S LADDER(ジェイコブズ・ラダー ) シングルチャートNo.1、Mainstream Rockチャート第10位、Adult Contemporaryチャート第17位

4thシングル I KNOW WHAT I LIKE(アイ・ノウ・ホワット・アイ・ライク) シングルチャート第9位、Mainstream Rockチャート第25位、Adult Contemporaryチャート第30位

5thシングル DOING IT ALL FOR MY BABY(すべてを君に) シングルチャート第6位、Adult Contemporaryチャート第2位

ボーナストラック THE POWER OF LOVE(パワー・オブ・ラヴ) シングルチャートNo.1、Mainstream RockチャートNo.1、Adult Contemporaryチャート第6位、Dance Club Songsチャート第22位

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