派手さはなくなり円熟味を増した好盤 BON JOVI - THESE DAYS




前作からの流れ

1992年にリリースされた、BON JOVI(ボン・ジョヴィ)の5thアルバム、KEEP THE FAITH(キープ・ザ・フェイス)は、ビルボード誌アルバムチャートで第5位、アメリカでは200万枚のヒットとなりました。
大成功後のバンド空中分解の危機を乗り越え、聞きごたえのあるアルバムを出してファンを安心させてくれました。

 

アルバムリリース後、1993年前半にはKeep the Faith Tour、後半にはI’ll Sleep When I’m Dead Tourを敢行し、37か国、177のライヴで2500万人の前でプレイしています。
この数字を見ると、彼らを疲労困憊、バンド崩壊寸前にまで追いやった前回のツアーを思い出させますが、今回は公演数を抑えて前回の二の舞にならないようには気をつけてるようです。
とはいえ、普通のバンドからすると、かなりのハードスケジュールであったことは間違いありません。

 

ツアーが終わって、翌1994年にはキャリア初のベストアルバムをリリースします。
CROSS ROAD(クロス・ロード 〜ザ・ベスト・オブ・ボン・ジョヴィ)と名付けられたこのベスト盤は、驚異的な売り上げを記録します。
アメリカビルボード誌アルバムチャートは第8位に終わったものの、イギリス、オーストラリア、オーストリア、ベルギー、カナダ、デンマーク、ヨーロッパ、フィンランド、ドイツ、イタリア、日本、ニュージーランド、ポルトガル、スイス、といった国々のアルバムチャートでNo.1を記録しています。
そして、アメリカで500万枚を含む全世界でなんと2150万枚を売り上げたのでした。

 

このベストアルバムには2曲の新曲が収められ、そのうちの一曲であるパワーバラードのALWAYS(オールウェイズ)はシングルカットされ、世界中で大ヒット。
ビルボード誌シングルチャートで第4位、同誌 Adult Contemporaryチャートで第4位、また世界数か国でNo.1を取りアルバムの売上に大きく貢献しています。

 

時代の流れはオルタナ、グランジ系のロックへと人気が移っていく、そんな逆風の中でも、ボン・ジョヴィはその根強い人気を見せつけてくれたのでした。

 

しかし、そんなベストアルバムの大成功と同時期に、ベーシストのAlec John Such(アレック・ジョン・サッチ)の脱退が発表されます。
ボン・ジョヴィの5人のオリジナルメンバーからの初の脱退者が出たことになります。
彼のプレイの力量に問題があったので、事実上のクビだったとも言われてます。
また、ツアーのハードさについていけなくなったとか、いろんな理由が取り沙汰されてます。
そうした情報をあわせて考えるに、多少のパフォーマンス不足はあったのは事実で、でも、そんなこと言われてまで続けたいと思うほどハードな生活には固執したくもなかった、ということではないでしょうか。
いずれにしても彼は自由な生活へと帰っていきました。

 

アレックの代わりには、Hugh McDonald(ヒュー・マクドナルド)がサポートメンバーとして加入してますが、正式メンバーになったのはずっと後の2016年のことになります。
このことから、アレックにはいつでも帰れる余地を作ってあげてたとも考えられます。
苦楽を共にしてきた5人は、別れたとは言えやはり強い絆があったにちがいないと思えます。
ちなみに、ヒュー・マクドナルドとは、ボン・ジョヴィのデビュー前、Jon Bon Jovi (ジョン・ボン・ジョヴィ)と共に曲「夜明けのランナウェイ」をレコーディングしたセッションメンバーの一人です。
ので、非常に長い付き合いのベーシストですね。

 

さて、Keep the Faith Tourが終わって1994年1月にはジョンは休暇中に”Something To Believe In”を書き上げます。
これはニューアルバムのために書かれた最初の曲になります。
それから9か月以上をかけて、ジョンとギタリストのRichie Sambora(リッチー・サンボラ)は40曲を書き上げていきます。
本来の予定では1994年の後半にはアルバムリリースされるはずでしたが、楽曲制作に時間をもっと充てるために延期となっています。
そんな経緯で、代わりの品と言ってはなんですが、ベストアルバムのクロス・ロードがリリースされた(代替のくせに超バカ売れしましたw)ということのようです。

 

今回のアルバムは、前回のBob Rock(ボブ・ロック)に代わって、Peter Collins(ピーター・コリンズ)をプロデューサーに迎えます。
ピーターはラッシュやクイーンズライクのプロデュースで有名ですが、そんなプログレ得意な彼と、ジョン&リッチーの3人の共同プロデュースという形で製作開始されます。

 

いったんレコーディングしたものをオール消去したり、スタジオを転々と変えたりなど、数か月の時間はかかりましたが、ついに、アルバムは完成します。
前作もグランジを始めとする、暗い世相の影響を受けていましたが、今回もより内省的で、ちょいダークな作品に仕上がっています。
タイトルは、”Open All Night” と “Strip”の2種類が検討されてましたが、結局は アルバムのテーマに合った楽曲のタイトルが冠せられました。

 

では、今日は1995年リリースの、BON JOVI(ボン・ジョヴィ)の6thアルバム、THESE DAYS(ジーズ・デイズ)をご紹介します。

THESE DAYS(ジーズ・デイズ)の楽曲紹介

オープニングを飾るのは、HEY GOD(ヘイ・ゴッド)。

 

ジョンとリッチー共作の、ダークでハードなロックでアルバムは幕を開けます。
収入が途絶え家族を失おうとしている男、子供の非行に手を焼くシングルマザー、小さいころから銃に触れ大人になるまで生きてられるかわからない子供。
こんな人たちの目線になり世の不条理を神に問いかける、ジョンの怒りのこもったメッセージソングになっています。

 

ジョンは、ブロードウェイの路上で見かけたアルマーニのスーツ姿の男と、路上で眠っている男を見てインスパイアされたと言ってます。
やっぱりこの格差は良くない、っていう主張が込められてますし、神へのなぜ?の問いも含まれてます。
それにしても1曲目から、こんな重いテーマとは、やはり時代の流れなのでしょうか。

 

リッチーのギタープレイは相変わらず手堅いです。
完全にボン・ジョヴィらしいリフで安心感があります。
メンバーが変わったとは言え、バンドのプレイの雰囲気も相変わらずで安心です。
しかし雰囲気を、暗い世相へと合わせるのは、もはや逆らえない時代の流れだったのかもしれませんね。

 

2曲目は、SOMETHING FOR THE PAIN(サムシング・フォー・ザ・ペイン)。

 

ジョンとリッチー、そしておなじみDesmond Child(デズモンド・チャイルド)の3人の共作作品です。
やっぱりキャッチーな作品と言えば、デズモンドの出番ですね。
アルバムの中では、数少ない明るく軽快なノリの楽曲になっています。

 

曲のアレンジもアーシーなギタープレイにより、カントリー風な雰囲気も感じられます。
ギターソロではスライドギターっぽい音で、ウェスタンな感じをさらに演出してます。
サビのちょい早口なタイトル連呼や、「カモン、カモン、カモーン」なども、とても印象的でいいかんじですね。

 

この曲は2ndシングルとしてカットされ、ビルボード誌シングルチャートで第76位、同誌 Mainstream Top 40チャートで第39位を記録しています。

 

3曲目は、THIS AIN’T A LOVE SONG(ディス・エイント・ア・ラヴ・ソング)。

 

全曲と同じ3人の共作のバラードです。
やっぱりデズモンド印がつくと、メロディが素晴らしく仕上がりますね。
ツボを押さえている、まさに職人技ではないでしょうか。
ボン・ジョヴィも数々のバラードを出してきてますが、過去の名作と遜色ないいいバラードだと思います。

 

楽曲にはR&Bテイストも十分に感じられ、特にギタープレイがそれを押し上げています。
ジョンとリッチーはこの雰囲気をアルバム全体に持たせたかったようです。

 

ブルーズ感覚と、哀愁の入り混じった名バラードだと思います。

 

この曲はアルバムの先行シングルとしてリリースされ、ビルボード誌シングルチャートで第14位、同誌Adult Contemporaryチャートで第22位、同誌 Mainstream Top 40チャートで第11位を記録しています。

 

4曲目は、THESE DAYS(ジーズ・デイズ)。

 

ジョンとリッチー共作の、アルバムタイトルトラックとなっています。
ピアノとアコースティックギターによる静かなイントロを背景に歌い始めます。
次第にバンドサウンドが加えられていき、ドラマティックに盛り上がっていきます。

 

やはりメロディが素敵ですね。
歌詞は暗いものではありますが、サビメロはなんか哀愁と共に希望を与えてくれる雰囲気に満ちてると思います。
また、ジョンの熱いヴォーカルにささやかに寄り添うリッチーのハモりが、いつもながら絶妙です。

 

以前はハードロックバンドのサウンドでのパワーバラードが多かった気がしますが、エレキの音作りなどからして、バンドとして非常に懐が深くなった感じがしてます。
ラストはハーモニカで盛り上げるところも、HR/HM系よりアメリカンロックバンドとしてアイデンティティを示してる感じです。

 

メロディ、演奏、ヴォーカル共に、アルバムの顔とも言える最高の出来となっているのではないでしょうか。
それと同時に、アルバム全体のコンセプトが、前のようなハードロック中心ではなくなったことも象徴しているかのようなメッセージも感じてしまいます。

 

いい意味で大人のロックバラードに仕上がった名曲だと思います。

 

5曲目は、LIE TO ME(ライ・トゥ・ミー)。

 

ジョン、リッチー共作のバラード曲です。
前曲はミディアムテンポのバラードでしたが、こんな曲を続けて収録しているところに、これまでとの変化を感じられます。

 

イントロから、今度は本格バラードの雰囲気をたっぷりとたたえています。
静かに歌い上げていくジョンと、バックで色づけるリッチーのコーラスが絶妙なブレンド具合になってますね。

 

ソロがまたブルージーで、円熟の巧みを見せてくれます。
後半にかけても、静かにじわりじわりと盛り上がっていく様子が秀逸です。
ラストのジョンの熱唱も必聴です。

 

この曲は3rdシングルとしてカットされ、シングルチャートで第88位を記録しています。

 

6曲目は、DAMNED(ダムド)。

 

ジョン、リッチー共作の、ダンサブルロックナンバーです。
イントロのギターリフからグルーヴ感たっぷりで、ちょいハード目のノリの良い曲になっています。

 

ギターソロで、リッチーはこのアルバムの中では珍しく弾きまくってます。
弾きまくる、といっても、ブルージーでツボを押さえたプレイの範囲内ですね。
ワウペダルも加えて、ラフにプレイしてて、楽曲のノリをさらに演出してます。
後半はホーンセクションも加わり、グルーヴィーなロックで楽しませてくれています。

 

7曲目は、MY GUITAR LIES BLEEDING IN MY ARMS(マイ・ギター・ライズ・ブリーディング・イン・マイ・アームス)。

 

ジョン、リッチー共作の、ダークで渋い楽曲です。
静かに始まり、ささやくようなジョンのヴォーカルリッチーの味のあるブルージーなギタープレイが非常にいいです。

 

間奏では、一気に盛り上がり、激しい印象的なギタープレイが耳を引きます。
サビでのジョンの熱唱、激しいバンドサウンド、存在感のある重厚なギタープレイ。
緩急のあるとてもドラマティックな展開で、僕は好きですね。

 

この雰囲気もやはり時代に合わせたものと感じられます。

 

8曲目は、(IT’S HARD) LETTING YOU GO((イッツ・ハード)レッティング・ユー・ゴー)。

 

ジョン作曲の、静かなバラードです。

 

イントロから広がるシンセが全編で優しく楽曲を包み込んでいます。
そこに、リッチーのアルペジオがささやかに楽曲を彩ります。

 

繊細な楽曲を、ジョンがハートフルに歌い、リッチーのハモリがさらに極上の曲へと高めています。
ラストはリッチーのギターソロが静かに曲をクローズします。

 

目立たない静かな楽曲ですが、アルバム中でもなかなか静かに存在感を放っていると思います。
シンセを中心に置いたアレンジが、彼らの楽曲の中で新鮮な印象を醸し出してますね。
シンプルな構成で、クオリティの高いこの曲は、ボン・ジョヴィの新境地ではないかと思いました。

 

この曲は、ジョン自身の初出演した映画「Moonlight and Valentino(ムーンライト&ヴァレンチノ)のために書かれた楽曲になっています。
これまで、映画のゲスト出演やカメオ出演はありましたが、俳優としてこの作品で本格的に活動を開始していますね。

 

9曲目は、HEARTS BREAKING EVEN(ハーツ・ブレイキング・イーヴン)。

 

ジョンとデズモンドによる共作のアメリカンロックテイストのロッカバラードです。

 

静かな曲が続いた後の、イントロのパワフルなブルージーリフがとてもかっこいいです。
ゆったり3連のリズムに乗り、ふところの深いサウンドでじっくり聞かせる大人のロックになってます。

 

ソロでも、リッチーのブルージーなギターが味わい深く披露されてます。
サビの歌メロもキャッチーで、記憶に残るフックがさすがデズモンド印の作品ですね。

 

後半にはさりげなくストリングスが入っていて、絶妙に盛り上げてます。
ラストのジョンの熱唱も必聴です。

 

10曲目は、SOMETHING TO BELIEVE IN(サムシング・トゥ・ビリーヴ・イン)。

 

ジョン作曲で、このアルバムのために最初にできた曲です。

 

イントロのドラムのリズムとリッチーの掛け声とが、アフリカンな雰囲気を醸し出してます。
抑え気味に始まるジョンのヴォーカルが次第に熱くなっていく展開が、なかなか良いと思います。
間奏では、荒れたリズムと、跳ねたベースギター、そしてギターのフィードバックで不思議な雰囲気が出てます。

 

ハイライトは、後半のジョンとリッチーの掛け合いの歌メロでしょう。
熱いジョンのヴォーカルと遜色ないリッチーのヴォーカルのせめぎ合いはとても聞きごたえがあります。

 

重々しい楽曲の中に込められた熱さが感じられる良曲だと思います。

 

11曲目は、IF THAT’S WHAT IT TAKES(イフ・ザッツ・ホワット・イット・テイクス)。

 

ジョンとリッチー共作の、軽快なロック曲です。
個人的にはアルバムのラストにふさわしい気もする、終局の響きのある哀愁感が漂ってると感じてます。

 

この辺のミドルテンポのロックが、彼らのキャラクターになってきた感じがあります。
ハードになりすぎず、地に足のついたアメリカンロックバンドへと一皮むけたのかと思えますね。
歌メロのクオリティ、リッチーのハモリ、ギターソロの渋さも、いい具合に楽曲を盛り上げています。

 

隠れ名曲との呼び声も高い、秀曲です。

 

ラスト12曲目は、DIAMOND RING(ダイアモンド・リング)。

 

最後は、ジョン、リッチー、そしてデズモンドの3人による楽曲です。

 

この曲は元々4thアルバムのNEW JERSEY用に作られたもののボツになっていた曲です。
当時、数回ライヴで披露されていたものの、ここでついに日の目を見た楽曲になります。

 

まあ、何とも激シブの楽曲になっていますね。
この時代背景と、アルバム全体の空気からすると、このアルバムに入るのもまあアリっちゃあるかもしれません。
じわりじわりとその魅力は伝わってきますが、アルバムラストに持ってくるのは個人的には「?」って気はします。
まあ、曲自体は悪くないんですがね。
前の曲でアルバム終了、この曲はボーナストラックとして聞けば、一番いい形になったのではないかというのが僕の個人的な意見ですw

まとめとおすすめポイント

1995年リリースの、BON JOVI(ボン・ジョヴィ)の6thアルバム、THESE DAYS(ジーズ・デイズ)はビルボード誌アルバムチャートで第9位、オーストラリア、オーストリア、カナダ、オランダ、ヨーロッパ、フィンランド、ドイツ、アイルランド、ポルトガル、スイス、イギリス、そして日本のオリコンなど、世界各国のアルバムチャートでNo.1を獲得する世界的な大ヒットとなりました。
売上は、アメリカでこそ100万枚ほどで止まってますが、ヨーロッパ全体では400万枚、日本で120万枚、合計世界で1000万枚を売り上げるビッグセールスを記録しています。

 

オルタナ、グランジ系が80年代からのバンドを駆逐し崩壊させていった中にあって、ボン・ジョヴィはその中でしっかりと生き残ったことを示したアルバムとなりました。

 

とはいえ、このバンドもやはりこの時代背景、音楽マーケットの影響を少なからず受けたのも事実のようです。
ジョンも、このアルバムが当時のオルタナバンドの影響を受けたと述べています。

 

やはりサウンド的に、全体がピーク時と比べると、ダークな雰囲気のアルバムになったのは否めません。
内省的で、落ち着いたサウンドで、ハードな楽曲は数えるほどしかありません。
ハードロックバンドとしてのボン・ジョヴィを待っていたファンには物足りない、インパクトの弱いアルバムに感じられたのもやむを得ないと思いますね。
80年代からの、ポップなハードロックバンド、というキャラクターとは遠いものになってきてます。

 

とはいえ、世界で1000万枚売れた、という事実はボン・ジョヴィのこの大きな変化を肯定的に受け入れた人たちがたくさんいたことの証と言えるでしょう。
内容は、前述のように、ハードロックは影を潜め、ミディアム系ロックやバラードがアルバムの大半を占めています。
これを、後退と見るか成長と見るかで、このアルバムの評価は2分されるに違いありません。

 

僕個人的な意見とすれば、あのハードロック系の全盛期のアルバムを期待してはいましたが、意外にもこの一見地味に聞こえるこのアルバムもなかなか気に入りました。
世相も暗い世の中にあって、ダークな空気が全体を覆ってはいますが、楽曲のクオリティは決して悪くありません
あっと言う間に引き込まれるわけではありませんが、聞けば聞くほど味の出る、奥深いアルバムだと感じています。
そのように感じている人もけっこういるようで、地味で目立たないけれど隠れた名盤として推す人も少なくありません。

 

僕の結論としては、バンドの円熟が増したと感じられる好盤と思っています。
メロディメイキングも抜群ですし、ジョンの熱いヴォーカルとリッチーのハモリの絶妙さも健在です。
リッチーのギターテクニックも、ブルージーで職人技を見せてくれますし、アレックの抜けた穴もヒューがきちんと補ってます。
従来のハードロック路線を捨て、円熟した大人のアメリカンロックアルバムを作り上げたと言ってよいのではないでしょうか。

 

もっとも、アメリカでは第9位100万枚セールスという非常に低い成績に終わり、アメリカのリスナーには今一つ受け入れられなかったのも事実と言えるでしょう。
ある口の悪い雑誌では、彼らのことを従来の産業ロックを捨てたのはいいものの、ギターの音のするホイットニー・ヒューストンのようになってしまった、と揶揄してるようです。
まあ、アメリカのバンドである以上、本国でのこんな評価は厳しく感じられたかもしれません。

 

しかし、アメリカ以外の世界中では圧倒的に受け入れられていますね。
同年にはMTV Europe Music Award for Best Rock(MTVヨーロッパ・ミュージック・アワード 最優秀ロック賞)を受賞、翌1996年には、イギリスでBrit Award for International Group(ブリット・アワード 最優秀インターナショナル・グループ賞)を受賞しています。
また日本では、第10回日本ゴールドディスク大賞 洋楽アルバム賞(ロック・フォーク部門)を受賞しています。
このアルバム内で見られる、繊細な表現を高く評価している人は決して少なくないのです。

 

グランジ、オルタナ全盛の時代に、このボン・ジョヴィが生き残ったのは本当に喜ばしいですね。
誰もが試されている時代に、崩れなかったのはやはり彼らのセンスや技量が本物だった証ではないかと思っています。

 

ちょっぴり地味で、以前の派手さはありませんが、じわじわとその良さがわかってくるスルメのようなアルバムとしてお勧めしたいと思います。

チャート、セールス資料

1995年リリース

アーティスト:BON JOVI(ボン・ジョヴィ)

6thアルバム、THESE DAYS(ジーズ・デイズ)

ビルボード誌アルバムチャート第9位 全米で100万枚 世界で1000万枚

1stシングル THIS AIN’T A LOVE SONG(ディス・エイント・ア・ラヴ・ソング) ビルボード誌シングルチャート第14位、同誌Adult Contemporaryチャート第22位、同誌 Mainstream Top 40チャート第11位

2ndシングル SOMETHING FOR THE PAIN(サムシング・フォー・ザ・ペイン) シングルチャート第76位、同誌 Mainstream Top 40チャート第39位

3rdシングル LIE TO ME(ライ・トゥ・ミー) シングルチャート第88位