7799°Fの世界。   BON JOVI ー 7800°FAHRENHEIT

ボン・ジョヴィのセカンドアルバム





前の記事で書いたように、ボン・ジョヴィのデビューアルバム、BON JOVI(夜明けのランナウェイ)は若さと勢いのある、なかなか良いハードロック作品になっています。

 

楽曲はハードかつキャッチーで、Richie Sambora(リッチー・サンボラ)のギターテクも冴えてるし、ヴォーカルのJon Bon Jovi (ジョン・ボン・ジョヴィ)もロックヴォーカリストとして、の声とルックスも兼ね備えています。

 

誰もが、このバンドの将来は明るいと考えていたに違いありません。

 

ところが、アメリカ本土の反応は思ったほどではありませんでした
もちろん日本では多くのファンに受け入れられ、そのことをメンバーは感謝していて、日本をとりわけ愛するようになったようだが、でも、本当の願いはやはり当然自分の母国での成功だったに違いないです。

 

そんな彼らが次に出したアルバムが1985年の作品、7800°FAHRENHEIT(7800°ファーレンハイト)です。

 

このタイトルは華氏7800度のことで、岩(ロック)も溶かす温度という意味になっています。
前作がさほど売れなかったとしても、そんな強い気持ちを持ってこの2ndアルバムを作ったことが読み取れます。

 

実際、このアルバムも前作同様、ハードロック作品としては良くできていると思います。
基本的には前作と同じ手法で、方向性も変えなかったのではないでしょうか。
それだけ、自分たちの音楽に自信を持っていたことのあらわれのようにも思えます。

 

では今日は、1985年リリースのボン・ジョヴィの2ndアルバム、7800°FAHRENHEIT(7800°ファーレンハイト)をご紹介します。

7800°FAHRENHEIT(7800°ファーレンハイト)の楽曲紹介

オープニングを飾るのは、IN AND OUT OF LOVE(恋の切り札)。

 

イントロのコーラスによるフェイドイン、そして音量が最大になったところでスネアドラムの連打、とアルバム全体をスタートさせるにふさわしいクールな始まりとなっています。
そして曲も相変わらずハードでありながらも口ずさめそうなキャッチーなメロディ
リッチーのギターソロもたっぷり魅力を振りまいてます。
前作を良いと思った人にとっては、最高の滑り出しと言えるでしょう。

 

この曲はアルバムからの2ndシングルとしてカットされ、ビルボード誌シングルチャートで第69位、同誌Mainstream Rockチャートで第37位を記録しています。

 

2曲目はTHE PRICE OF LOVE(プライス・オブ・ラヴ)。

 

これも疾走感あるロックチューンになってます。
イントロで爽快に始まり、歌メロの入りでいったん静かになってから再び勢いを取り戻す展開が非常にかっこいいです。
サビは、非常に哀愁味を帯びていて、これも日本人好みって感じですね。
このパターンは初期のボン・ジョヴィの、お家芸と言えるかもしれません。

 

文句なく良く出来た曲だと思いますよ。

 

3曲目は、ONLY LONELY(オンリー・ロンリー)。

 

これがシングルで出たとき、ちょっと地味だな、というのが第一印象だったのを思い出せますね。
もうちょっと受けの良さそうな曲を出さないと、前作を越えられないぞ、と一抹の不安を感じました。
でも聞き込むとやはりボン・ジョヴィらしい、佳曲であることに気付くことができます。
哀愁のメロディと、ジョンの熱唱、ちょいハードな楽曲、やっぱり悪くはないでしょう。

 

この曲はアルバムの先行シングルとしてリリースされ、シングルチャートで第54位、同誌Mainstream Rockチャートで第28位を記録しています。

 

4曲目は、KING OF THE MOUNTAIN(キング・オブ・ザ・マウンテン)。

 

ゆったりとヘヴィに奏でられる楽曲ですが、やはりメロディはキャッチーです。
このへんのさじ加減が絶妙なのがボン・ジョヴィの魅力の一つと思われますね。
サビの合唱が盛り上がった感を出してます。
Aメロの独特のノリも、絶妙なフックがあって、なんか引っかかりますね。

 

5曲目は、SILENT NIGHT(サイレント・ナイト)。

 

ここで一息ついてバラードの登場となります。
でも、ただのバラードではありません。
ジョンが渾身のヴォーカルを聴かせてくれる、パワーバラードです。

 

イントロのディレイたっぷりのシンセ音が印象的ですね。
そして、バンドが存在感を見せ、静かなところは静かに、盛り上がるとこは激しく演奏しています。
ヴォーカルと演奏、ともに引き立てあっています。
ギターソロも壮大な感じで、楽曲にあったいいものを聴けます。
非常にいいバラードだと思います。

 

一つ、余計なことを言えば、この曲のメロディーラインは、前年(1984年)にリリースされていたU2のアルバムTHE UNFOGETTABLE FIREの7曲目に収録されている、BADと言う曲のサビに似てると感じるのは僕だけだろうか。
僕はどちらもそれぞれに好きですけどね。

 

この曲は4thシングルとしてカットされ、シングルチャートではチャートインを逃してますが、Mainstream Rockチャートでは第24位と健闘しています。

 

B面1曲目はTOKYO ROAD(TOKYO ロード)。

 

この曲は、「さくらさくら」のオルゴールで始まります。

 

日本のファンがくれたオルゴールをヒントにイントロに混ぜてみた、ということらしいです。
曲そのものはやはりデビューアルバムを受け入れてくれ、熱く応援してくれる日本のファンのために作ったそうです。
こういうかたちで感謝が現れるのはとてもうれしいですね。
お互いの文化を知り、触れ合うのは平和に欠かせないですからね。

 

ちなみにこれを聴くと2つの曲を思い出します。

 

オルゴールをイントロで使っている、という点では、NIGHT RANGERの1983年の作品、MIDNIGHT MADNESSの5曲目に収録されている、TOUCH OF MADNESS
こちらも効果的なイントロになっています。
オルゴールがスローになっていったタイミングでギターのリフが入ってきて、ヘヴィな楽曲につながる様は一聴の価値ありです。

 

もう一つ、日本の昔の歌を使っている、という点では、SCORPIONSのライヴアルバムTOKYO TAPES収録の荒城の月です。
クラウス・マイネがアカペラでそれも日本語で歌い上げる荒城の月、そしてそれに応えて歌いだす観客たち
これは結構感動ものだと思いますね。
多くのアーティストにとって日本が特別なものということをいろんな形で示していますが、このように日本の古い歌を覚えてきてそれを日本語で歌うなんて、最高のプレゼントではないでしょうか。
聴いたことない人にはこちらもぜひとも一聴をお勧めしたいと思います。

 

話が逸れましたが、まだ本国でブレイクしてないメンバーからの感謝のこもった最高の贈り物が、このTOKYO ロードということで間違いないでしょう。
そして、楽曲自体も爽快なハードロックになっていて、とても良いです。

 

2曲目はTHE HARDEST PART IS THE NIGHT(ハーデスト・ナイト)。

 

この曲はバラードのように始まりますが、すぐにバンドが加わり、ミドルテンポのハードロックになります。
そして、この曲のサビメロが非常にメロディアスでたまりません。
哀愁漂う素晴らしいメロディをジョンが力強くも切なく歌い上げてます。
激しいギターリフが、いい塩梅で楽曲を彩ってます。

 

この曲は3rdシングルとしてリリースされましたが、チャートインできませんでした。

 

3曲目はALWAYS RUN TO YOU(オールウェイズ・ラン・トゥ・ユー)。

 

ギターリフ中心で行く、なかなかのドライヴィングロックです。
でも、やはりサビはキャッチーで、覚え易く作ってますね。
マイナー調でダークな雰囲気なのに、サビではちょっとメロディアスなのが、ボン・ジョヴィらしくもあります。

 

4曲目は(I DON’T WANNA FALL)TO THE FIRE(真紅の炎)。

 

ちょっと不思議な雰囲気のある楽曲です。
実験的な感じが見られますね。
アルバム中ではちょっと浮いた感じになってます。

 

アルバムラストはSECRET DREAMS(シークレット・ドリームス)。

 

今回はラストもちょっとマイナーな感じになってます。
でも、やはり哀愁あるサビを聞くと、初期ボン・ジョヴィそのもののサウンドになっていますね。
やはりちょっと華がない感じも否めません。
その中でリッチーのソロが健闘してます。
ハーモニクス多用のソロスタートから、アーミングを使ったエンドまで良く出来てると思います。

まとめとおすすめポイント

1985年リリースのボン・ジョヴィの2ndアルバム、7800°FAHRENHEIT(7800°ファーレンハイト)は、ビルボード誌アルバムチャートで第37位にとどまりました。
そしてアメリカで100万枚、世界では300万枚売れてますが、これも、後の大ブレイク後の売り上げが加算されたものなので、当時はここまで売れてません。

 

前作に続いて、キャッチーで、ちょうどいいハードロック作品となっています。
また、バラードは一曲だけ、という硬派なつくりになっているのにも注目できます。

 

このようにアルバム全体の出来は、前作同様メロディーを大切にするハードロック路線を踏襲しており、非常に聞きやすく、まとまりのあるアルバムだと思います。
リッチーのギターもリフからソロまで、バラエティに富んでおり、ハードロック的なものにアーミングを絡めてギターキッズにも聴きどころは十分にある気がします。

しかし、やはりアメリカではそれほど評価されませんでした。
ビルボード誌のアルバムチャートでは前作の第43位を少し上回りましたが第37位にとどまっています。

 

一方日本ではなんと驚くべきことに、オリコンアルバムチャート第5位、という快挙を成し遂げたのです。
アメリカと違って、日本では前作でついたファンがさらに増加していたのです。
それを受けて、日本ではバンド初の単独ツアー(本国アメリカではまだやっていなかった。)を敢行し、人気はさらに高まるのでした。

 

この温度差は何なんでしょう。
彼らも日本での熱烈な歓迎に歓びつつもなぜアメリカでブレイクできないのか、寝ずに考えたかどうかは知らないが、大きな課題として残ったに違いありません。

 

ロックを溶かす温度、7800°FAHRENHEITというタイトルをつけたアルバムが、どうしても溶かしきれなかった本国アメリカ。
1°足りないのか、100度足りないのかわからないが、何かが足りないに違いない。

 

そのような中でも決してあきらめずに彼らはライヴを精力的に続けました。
メインアクトではなくてもライブツアーに積極的に参加しています。
ラットやスコーピオンズ、時には38スペシャル(まさかの!?)などの前座を務めながら着実にファンを増やしていきました。
モンスターズ・オブ・ロックというフェスにも参加しています。

 

精力的にライヴに打ち込んだのです、足りない温度を上げるために。

 

そして、ついに次のアルバムで、7799°が7800°に達する日がやってくるのでした。

 

そうなるまでの過程を、ぜひこのアルバムで味わってほしいと思っています。

チャート、セールス資料

1985年リリース

アーティスト:BON JOVI(ボン・ジョヴィ)

2ndアルバム、7800°FAHRENHEIT(7800°ファーレンハイト)

ビルボード誌アルバムチャート第37位 アメリカで100万枚のセールス 世界で300万枚

1stシングル ONLY LONELY(オンリー・ロンリー) ビルボード誌シングルチャート第54位、同誌Mainstream Rockチャート第28位

2ndシングル IN AND OUT OF LOVE(恋の切り札) シングルチャート第69位、同誌Mainstream Rockチャート第37位

3rdシングル THE HARDEST PART IS THE NIGHT(ハーデスト・ナイト) チャートインせず

4thシングル SILENT NIGHT(サイレント・ナイト) Mainstream Rockチャート第24位

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