THE BABYS + JOURNEY   BAD ENGLISH - BAD ENGLISH

まずはJohn Waite(ジョン・ウェイト)との出会い





1984年、一曲のバラードがチャートを上がってきた。
イギリス人の一人の男のソロの楽曲だ。
名はJohn Waite(ジョン・ウェイト)、曲のタイトルはMISSING YOU(ミッシング・ユー)。
非常にポップな歌で好感が持てた。

 

そう思っているうちに、ヒットチャートをぐいぐい上がっていき、ビルボード誌シングルチャートで全米No.1を獲得してしまった。
この曲は、1985年のグラミーの最優秀男性ポップ・ヴォーカル・パフォーマンス賞にノミネートされるほど、評価の高い曲だった。
確かに、80年代を代表する一曲と言って過言ではなかろう。

 

1985年にリリースされたシングル、RESTLESS HEART(レストレス・ハート)は爽やかなポップソングで、こちらも僕は気に入ってた。
でも、カセットに収めたのはその2曲だけであり、それ以上ジョン・ウェイトという人については知らないまま通り過ぎようとしていた。

BAD ENGLISH結成

そして次の年、1986年にアメリカのロックバンドJOURNEY(ジャーニー)がRAISED ON RADIO(Raised On Radio〜時を駆けて)をリリース。
その後のツアー途中でヴォーカルのSteve Perry(スティーヴ・ペリー)が離脱。
ジャーニーは活動中止状態に陥ってしまう。

 

僕がリアルタイムで聴けたのが、このアルバム「Raised On Radio〜時を駆けて」だけだったので、その後がないと思って、それはそれはがっかりしたものだ。
こうして、残念ながら僕のジャーニーは終了したものとあきらめてしまっていた。

 

すると、1989年、一つの新たなバンドが結成されるというニュースが飛び込んできた。
名前はBAD ENGLISH(バッド・イングリッシュ)。

 

そのメンバーを見て、僕は驚愕した。
ジャーニーのNeal Schon(ニール・ショーン)とJonathan Cain(ジョナサン・ケイン)がいるではないか。
これはぜひとも聴かなければ。

 

そう思ってたら、この新バンドのヴォーカルに見覚えがあった
あの全米No.1ヒット曲、ミッシング・ユーのジョン・ウェイトではないか。
彼の肩書きにはTHE BABYS(ベイビーズ)とあった。

 

今度はこのバンド名にも見覚えがあった。
ジャーニーにジョナサン・ケインが加入したが、彼はベイビーズを脱退してやってきたはずだ。
そして、ベーシストはRicky Phillips(リッキー・フィリップス)で、彼も元ベイビーズなのだ。
ベイビーズは1976年結成で、ジョン・ウェイトを中心に、ハードでメロディアスなポップセンスのあるバンドと言われている。
スタジオアルバムを5枚出していたが、ジョナサン・ケインの離脱で、バンドは解散してしまっていたのだ。

 

そのベイビーズから二人ジャーニーから二人、そしてそのうち両方またがった人(ジョナサン)が一人でこの新バンドは成り立っているのだ。
それに加えて、ドラムスはDeen Castronovo(ディーン・カストロノヴォ)。
計5人の、英米混合バンドなのだ。
なので、CDのライナーノーツでは、ジャーニーが名前を変えて復活した、と語られてるし、同時にベイビーズの再編とも見ることができる、ともある。
二つのバンドの融合がどんなサウンドを生み出すのか、非常に楽しみだった。

 

あと、このバンド名、BAD ENGLISHの由来について語って見たい。

 

ジョン・ウェイトとジョナサン・ケインがビリヤードをしていたときのこと。
ジョンがミスショットしたときに、ジョナサンが、How bad his English was!とコメント。
このENGLISHというのはビリヤード用語で、手玉に回転をかけるショットのことで、スピンとも言うらしい。
なので、ジョナサンの言葉は、「何てひどいショットだ!」って感じになると思うが、バンドはこのフレーズを使ってバンド名を決めたそうだ。

 

それともう一つの意味があって、彼らが元いたTHE BABYSだが、BABYの複数形は正しくはBABIESになるはずなのをあえてこの表記にしている。
それで、つづりの間違えというひどい英語(BAD ENGLISH)という意味でもあるようだ。

 

とにもかくにも、ジャーニー関連は聞きたくてしょうがない僕は、1989年リリースのCD、BAD ENGLISHのデビューアルバムを購入したのである。

 

では1989年リリースの、BAD ENGLISH(バッド・イングリッシュ)のデビューアルバムBAD ENGLISH(バッド・イングリッシュ)をご紹介したいと思います。

アルバム、BAD ENGLISHの楽曲紹介

アルバムオープニングを飾るのはBEST OF WHAT I GOT(ベスト・オブ・ホワット・アイ・ゴット)。

 

イントロでいきなりニールが早弾きギターのアドリヴを見せ付けてくれる。
ジャーニー・サウンドの復活である。
どっしりと落ち着いたドラムスの上に、堂々たるロックサウンドが繰り広げられている。
そして全体を飾るジョナサンのキーボード、ハードで小気味いいニールのギタープレイ。
ギターソロではニールが短いながらも印象的なプレイを見せている。
その辺の塩梅がジャーニーっぽい。
ただし、ヴォーカルはスティーヴ・ペリーからジョン・ウェイトへと変わっているのだが、ジョンの声もなかなかジャーニーサウンドにはまっているではないか。
ちょっとハードな路線ながらも、キャッチーな歌メロ
まさに、僕の聴きたかった音だ。

 

この曲は正式なシングルとしてはカットされてはいないが、ロックバンドであるという主張をはっきり見せるための戦略として宣伝用にリリースされ、ビルボード誌、Mainstream rockチャートで、第9位を記録している。

 

2曲目がHEAVEN IS A 4 LETTER WORD(ヘヴン・イズ・ア・4レター・ワード)。

 

イントロのベースとドラムが非常にかっこいい。
それに続くギターリフがとても印象的なスローなハードロック曲だ。
ニールのギターソロも、熟練の音を出してくれている。
サビもさわやかでメロディアス。
全体を彩るジョナサンのキーボードがその爽やかさをいっそうアップしている。
非常に気持ちよく聴ける良曲である。

 

この曲はアルバムからの4thシングルとしてカットされ、ビルボード誌シングルチャートでは第66位だったものの、Mainstream rockチャートでは第12位をマークした。

 

3曲目はPOSSESSION(ポゼッション)。

 

イントロはアコースティックなアルペジオで始まる、哀愁感漂うバラードである。
やはり、ミッシング・ユーで聞かせてくれたとおり、こんなバラードにジョン・ウェイトの声は非常に良く合うと思う。
いや、ほんとに気持ちよいサウンドによいメロディー。
ジャーニー関係者はバラードつくりでは右に出るものはいないようだ。

 

全体にちりばめてあるギターのアルペジオやストロークプレイ、優しいシンセの響き、ギターソロも抑えたもので美しくメロディを奏でている。
いい楽曲に、いい演奏能力。
そして切なく歌い上げるジョンのヴォーカル。

 

非常に素敵なバラードであるこの曲は、アルバムからの5thシングルであるにもかかわらず、シングルチャート第21位を記録している。

 

4曲目が、FORGET ME NOT(フォゲット・ミー・ノット)。

 

このバンドで最初に聴いたのがこの曲だったが、超絶にかっこいいと思った。
これで、間違いなくCDを買うと決意したのだ。

 

スリリングなイントロが印象的だ。
少しづつ音数が増していき、ドラムが入って疾走感あふれる楽曲に変わっていく感じが最高だ。
特筆すべきはやはりニールのギタープレイだろう。
弾きまくるより、曲を彩ることを主眼においたいぶし銀のプレイであふれている。
特にミュート音にディレイをかけた、地味にかっこいいフレーズは職人技だ。
ソロでも、曲展開に調和した見事なプレイを見せている。
やはりニールはうまいな、と改めて感じさせてくれるいい楽曲だ。

 

ドラマティックに展開する、BAD ENGLISHを紹介するにふさわしい、素晴らしい先行シングルになったと思う。
シングルチャートでは第45位にとどまったが、Mainstream rockチャートでは第2位を獲得、ロックファンに強くアピールする楽曲となった。

 

5曲目はWHEN I SEE YOU SMILE(ホエン・アイ・シー・ユー・スマイル)。

 

外部ライターを起用した2曲のうちの1曲だ。
作曲者はDiane Warren(ダイアン・ウォーレン)、スターシップの愛はとまらない、エアロスミスのミス・ア・シングなど、数多くの楽曲を提供している優れたソングライターだ。
そしてこの曲でも素晴らしい曲を持ってきてくれた。

 

もともとジョン、ジョナサン、ニールが中心になって他の楽曲も書いているのだが、すでにいい曲をたくさん書けていると思う。
だが、やはりダイアン・ウォーレンの提供曲は、一段上回っているようだ。
とにかく、ツボを心得ているということだろう。
大ヒット曲に必要なメロディ、歌詞がバランスが取れている。
それを優れたバンドが歌い、演奏するのだからヒットするのも当然だろう。

 

実際この曲は2ndシングルとしてカットされ、シングルチャートで2週連続の全米No.1を獲得した。
また、同誌のMainstream rockチャートでは第10位、Adult Contemporaryチャートでは第11位を記録。
一般にも、ロックファンにも、また大人な音楽好きにも広く受け入れられた大ヒットとなったのである。

 

僕も非常に気に入っている楽曲で、80年代を代表するパワーバラードの一曲として認定しておきたい。

 

A面ラストはTOUGH TIMES DON’T LAST(タフ・タイムズ・ドント・ラスト)。

 

80年代っぽいキラキラなシンセアレンジが素敵なロックチューンだ。
シリアスな雰囲気で始まるが、サビはやはりキャッチーだ。
いい曲が非常に多いアルバムの中ではちょっと目立たないのだが、非常にいい曲だと思う。
ギターソロが曲にぴったりで、見事に曲を盛り上げる役目を果たしている。
職人ニールここにあり、だ。

 

後半、シリアスな空気が明るい雰囲気に変わるところは必聴である。
タフな時間は続かない、というタイトルどおり、最後は明るいアレンジになるところが絶妙である。

 

B面一曲目はGHOST IN YOUR HEART(ゴースト・イン・ユア・ハート)。

 

イントロのジョナサンのシンセが、曲世界を見事に構築している。
切ないジョンのヴォーカルにニールのキレの良いギターリフが絡んでくる名曲だ。
また、曲全体を彩るジョナサンのシンセにも注目である。
ニールのソロが曲にあった哀愁のあるプレイを聴かせてくれる。
そしてやはり彼のアクセルの入ったときの速弾きプレイは強烈である。
決して楽曲を壊すことなくさらっと弾く彼のプレイはやはり職人芸である。

 

2曲目は、PRICE OF LOVE(プライス・オブ・ラヴ)。

 

ど頭のニールのマイナーなソロメロディから、いきなり名曲の予感が漂う。
そして、キーボードのコードにより優しく曲が始まる。
落ち着いたバラードだ。
サビはメロディアスでキャッチー。
ジョンのヴォーカルが非常によく映えている。
いかにもという感じだが、やはり、誰でも簡単に作れるものではないはずだ。
職人たちの集合体が見事なバラードを生み出したのだ。
ニールのソロがまたも味わい深い。

 

この曲は3rdシングルとしてカットされ、シングルチャート第5位を記録している。

 

3曲目は、READY WHEN YOU ARE(レディ・ホエン・ユー・アー)。

 

イントロのドラムが、ジャーニーのBACK TALKを彷彿とさせる。
ディーン・カストロノヴォのプレイが冴えている。
ニールのギターリフとソロプレイが久々に暴れている楽曲だ。
曲自体もかっこいい、ノリのいいハードロックである。
アウトロでは、日ごろの鬱憤を晴らすかのようにニールが弾きまくっているのにプチ注目。

 

4曲目はLAY DOWN(レイ・ダウン)。

 

この曲もちょっと目立たないかも知れないが、なかなかのロックソングである。
特にニールのクールなギターリフを楽しめる。
彼の引き出しの多さに気付ける楽曲だ。

 

5曲目はTHE RESTLESS ONES(ザ・レストレス・ワンズ)。

 

バラードのように美しく始まる。
この辺のアレンジは一級品だ。
そしてBメロからスピードが上がっていく。
そしてさわやかなサビへ
ドラマティックな展開の楽曲である。
その途中、大事なところでニールのギター、ジョナサンのシンセが曲を彩っている。
ギターソロはニールらしいきれいなメロディを奏でている。
非常に爽快な楽曲である。

 

6曲目はROCKIN’HORSE(ロッキン・ホース)。

 

恐らくアルバム中もっともブルース色の強い楽曲だ。
こんなリフを弾かせてもニールのプレイは一級品だ。
また、ジョンもうまく歌いこなしていると思う。
ゆったりとしたリズムをバックにニールがブルージーにソロを披露。
アウトロのギターソロでも、音色をエモーショナルに揺らし、ブルースを奏でてます。
なかなかかっこいい楽曲だと思います。

 

アルバムラストはDON’T WALK AWAY(ドント・ウォーク・アウェイ)。

 

AORにカテゴライズしても良い、心地よい楽曲だ。
落ち着いた、メロディアスな曲である。
少し地味ではあるが、非常に良い曲と思う。
最後のニールのソロは、ジャーニーのI’LL BE ALRIGHT WITHOUT YOUと同じ音質で、非常にクリーンで大人な音色だ。
ここにも彼の引き出しの多さを感じられる。
こうして静かにアルバムは幕を閉じる。

まとめとおすすめポイント

1989年リリースの、BAD ENGLISH(バッド・イングリッシュ)のデビューアルバムBAD ENGLISH(バッド・イングリッシュ)はビルボード誌アルバムチャート第21位を記録し、アメリカで100万枚のセールスを達成しました。

 

このジャーニーの残党とベイビーズの残党が集まって作り出したバンド、バッド・イングリッシュのデビューアルバムは、 過去のジャーニーの成果と比べれば少し物足りない成績ということになるが、中身はそれ以上のものを含んでいると思います。

 

ちょうど、ジャーニーがR&Bよりにチェンジしたために失ったハードロックサウンドを、ここでもう一度再現して見せているのだ。
僕の中でのイメージではジャーニーのFRONTIERSに近い感じである。
全体的にハードなサウンドを持ちつつ、バラードは緻密で美しい
そしてきらめくシンセが楽曲を飾り立てている。

 

僕が好きだったサウンド、ドンピシャリだ。
クオリティの高い楽曲を多数収録している。
個人的な意見では捨て曲は全くない
どれも、非常に良くできており、名曲と呼べるものばかりだ。

 

ただ一つ願えるなら、ニール・ショーンのギターをもっとたっぷり聴きたかったかな、と。
楽曲優先で、だいぶニールは我慢してるんじゃなかろうか、と思える。
リフは優れたものがいっぱい含まれてるので、あとはもう少しソロの時間を増やせば、80年代のハードロックとして完成の度合いが高まったのじゃないかと思う。

 

とはいえ、二つのバンドの合体から生まれたバンドは優れた化学反応を示し、見事なデビューアルバムを生み出すことに成功した。
80年代のハードロックが好きな人にはおすすめしたい一枚である。

1989年リリース

アーティスト:BAD ENGLISH(バッド・イングリッシュ)

1stアルバム、BAD ENGLISH(バッド・イングリッシュ)

ビルボード誌アルバムチャート第21位 アメリカで100万枚のセールス

1stシングル FORGET ME NOT(フォゲット・ミー・ノット) ビルボード誌シングルチャート第45位、Mainstream rockチャート第2位

2ndシングル WHEN I SEE YOU SMILE(ホエン・アイ・シー・ユー・スマイル) シングルチャート2週連続No.1、Mainstream rockチャート第10位、Adult Contemporaryチャート第11位

3rdシングル PRICE OF LOVE(プライス・オブ・ラヴ) シングルチャート第5位 Mainstream rockチャート第30位

4thシングル HEAVEN IS A 4 LETTER WORD(ヘヴン・イズ・ア・4レター・ワード) シングルチャートでは第66位、Mainstream rockチャート第12位

5thシングル POSSESSION(ポゼッション) シングルチャート第21位