カリスマヴォーカル、セバスチャン・バックの叫びを聴け!  SKID ROW - SKID ROW

SKID ROW(スキッド・ロウ)との出会い





1989年、一曲のバラードを耳にする。
クリーントーンのギターで静かに始まる18 AND LIFE(エイティーン・アンド・ライフ)。

 

聴き始めて、当時既にあふれていた、ハードロックバンドによる売れ線のロッカバラードだろうと思った。
もちろん、悪い意味で言っているのではない。
僕はそういうのが好きだ。
80年代にはそのような曲がたくさんあふれており、とても気に入っている。

 

しかし、Aメロが終わるや否や、バンドサウンドが入ってくる。
これもありがちな展開なのだが、一つ、大きく今までと違うものを感じた。

 

ヴォーカルの声である。

 

その声は荒々しく、怒りに満ちているようだった。
まさにハードロックを歌うためにあるかのような、激しい声だったのだ。

 

一気にその魅力に取り付かれた僕は、彼らのアルバムを聴くことにする。

SKID ROWとは

そのバンドはSKID ROW(スキッド・ロウ)といった。
まだデビューアルバムしか出していない、新人バンドだった。

 

アメリカ、ニュー・ジャージーで1986年に結成されたバンドだ。
Jon Bon Jovi(ジョン・ボン・ジョヴィ)の幼馴染であるギタリスト、Dave “The Snake” Sabo(デイヴ・”ザ・スネイク”・セイボ)と、ベーシストの Rachel Bolan(レイチェル・ボラン)がバンドの中心人物である。

 

結成当時から幾らかのメンバーチェンジを行ない、1989年にデビューアルバムを出したときのヴォーカルは Sebastian Bach(セバスチャン・バック)である。
この人の声に僕は引き込まれたのだ。

 

ジョン・ボン・ジョヴィと幼馴染のデイヴ・スネイク・セイボは、どちらかが先にミュージックビジネスで成功したら、後のほうを助ける、という約束をしていたようだ。
そしてBon Jovi(ボン・ジョヴィ)は一足早く世界的なバンドへと成長する。
ジョンは約束を果たし、彼が運営するレーベルNew Jersey Undergroundを通してスキッド・ロウのデビューをサポートするのだ。

 

こうしてスキッド・ロウは1989年、アルバムSKID ROW(スキッド・ロウ)で鮮烈なデビューを飾るのである。

 

今日は1989年リリースのSKID ROW(スキッド・ロウ)の1stアルバム、SKID ROW(スキッド・ロウ)をご紹介します。

アルバムSKID ROW(スキッド・ロウ)の楽曲紹介

オープニングを飾るのはBIG GUNS(ビッグ・ガンズ)。

 

いきなりヘヴィにごりごり押してくるサウンドに圧倒される。
バンドには二人ギタリストがいるので、ツインギターの魅力も満載である。
ギターソロもかっこいいし、リフも完璧だ。

 

そして何よりもヴォーカルのセバスチャン・バックの声がたまらない。
ジョン・ボン・ジョヴィの声も好きだが、それ以上にセバスチャンの声には迫力がある。
怒れる若者を体現しているような歌詞とシャウト攻撃的なバンドの演奏、かっこよすぎるオープニングだ。

 

もともとエイティーズ仕込みのどちらかと言うとポップなハードロックを好んで聴いていた僕には衝撃的だった。
なんてかっこいいサウンドだ。

 

2曲目はSWEET LITTLE SISTER(スウィート・リトル・シスター)。

 

ドライヴ感たっぷりのキャッチーなハードロックだ。
スピード感がたまらない。
イントロはツインギターならではのかっこいいリフが決まっている。
デビューアルバムとは思えない、爽快なロックンロールを聴かせてくれる。

 

3曲目はCAN’T STAND THE HEARTACHE(キャント・スタンド・ザ・ハートエイク)。

 

これはポップでキャッチーなロックンロールだ。
ど頭のサビのコーラスから引き込まれます。
エレキのリフもソリッドでかっこいいし、ギターソロも決まっている。
そしてセバスチャンのワイルドなヴォーカルと、サビでのコーラスがとても気持ちいい。
これもノリノリの楽曲だ。

 

4曲目はPIECE OF ME(ピース・オブ・ミー)



ヘヴィだけどキャッチーなロックです。
重量感のあるベースラインが特徴的だ。
その上に切り裂くようなギターリフ、そして搾り出すヴォーカル
ヘヴィロックの模範のような楽曲だ。
この雰囲気は絶対ボン・ジョヴィには出せないに違いない。

 

5曲目に、18 AND LIFE(エイティーン・アンド・ライフ)。

 

僕が初めて出会った彼らの楽曲です。
この曲はただのバラードではなく、力強いパワーバラードだ。
セバスチャンの、切ない細い声から、強い感情的なシャウトまで、彼のヴォーカルのうまさが堪能できる曲になっている。
バラードでここまで迫力を出せるヴォーカリストは他にあまり見当たらない。

 

この曲はアルバムからの2ndシングルとしてカットされ、ビルボード誌シングルチャートで第4位、Mainstream Rockチャートで第11位を記録しています。

 

6曲目はRATTLESNAKE SHAKE(ラトルスネイク・シェイク)。

 

これもまたキャッチーなハードロックだ。
サビもノリがよく、ギターソロもかっこいい。
ソロ後のセバスチャンのトークからのシャウトやサビの繰り返しの中でのヴォーカルのヴァリエーションなど、楽しめる仕掛けが満載である。

 

B面1曲目はYOUTH GONE WILD(ユース・ゴーン・ワイルド)。

 

これはアルバムの先行シングルとしてリリースされてチャートは第99位に終わっています。
しかし、ボン・ジョヴィの弟分という触れ込みで売り出された、そんな状況で、あいつらとは全く違うってのをリスナーに見せ付けることが出来たんじゃないでしょうか。
確かに、このワイルドな雰囲気は、どちらかと言えば育ちの良さそうなボン・ジョヴィには出せないでしょう。
怒れる若者たちについて歌ったこのロックンロールは彼らの代表曲となりました。

 

この曲は1stシングルで、シングルチャート第99位、Mainstream Rockチャートでは第20位を記録しています。

 

2曲目はHERE I AM(ヒア・アイ・アム)。

 

またまたかっこいいギターリフから始まる楽曲だ。
とにかくギターリフがかっこよすぎる
またヴォーカルとコーラスの掛け合いも楽しい楽曲だ。
悪っぽいロックンロールを楽しくやってる感じがとてもよい。
さらに、ギターソロは二人のギタリストの掛け合いになっててとてもかっこいい。

 

3曲目はMAKIN’ A MESS(メイキン・ア・メス)。


前の曲のそのままの勢いで突っ走ります。
これまた疾走感あふれるロックンロールだ
この2曲の流れはめちゃくちゃかっこいい。
疾走どころか爆走してる爽快系ロックンロールだ。
もう、文句の付け所のないスピード感あふれる名曲である。

 

4曲目はI REMEMBER YOU(アイ・リメンバー・ユー)。

 

これは最高の名曲と思います。
80年代を代表するパワーバラードと認定したい。
これはもう歌詞全部覚えるほど聴きこみましたが、全く飽きることがありません。
ただ静かなバラードなら、数多く聴けば飽きの一つもくるでしょう。
しかし、この曲もセバスチャンのヴォーカリストとしての魅力を余すところなく注ぎ込んだ楽曲になっているので、聴くたびに感情が揺さぶられます。



そのうえ、エレキギターのフレーズも冴えまくっています。
ギターソロのあの荒々しいフレーズは最高です。
そして、この曲全体の展開も素晴らしいです。
もう、欠点はありません。
歌詞もすばらしいです。
そしてそれを魂を込めて歌い上げるセバスチャンのヴォーカル。

 

とにかく全ての人にお勧めしたい素晴らしい楽曲となっております。

 

この曲はアルバムからの3rdシングルとしてカットされ、シングルチャートで第6位、Mainstream Rockチャートでは第23位を記録しました。

 

アルバムラストはMIDNIGHT /TORNADO

 

I REMEMBER YOUの印象が強すぎて、どうしてもおまけ扱いされがちな楽曲だが、隠れた名曲の呼び声も高い。
確かに、アルバム全体を貫いているヘヴィロックの流れからすると、この曲で締めるのは正しい選択だと思える。
ギターソロではツインのコーラスも聴けるし、ギターリフもかっこよい。
まあ、ちょっと存在感が薄いのは仕方ないでしょう。
あの超名曲の後なので・・・。

まとめとおすすめポイント

1989年リリースのSKID ROW(スキッド・ロウ)の1stアルバム、SKID ROW(スキッド・ロウ)はビルボード誌アルバムチャートで第6位、アメリカだけでアルバムを500万枚売り上げました。

 

1989年という、あの80年代が終わろうとしているときに現れたスキッド・ロウはエイティーズのきらきらアレンジを施すことなく若者の持つ勢いや、力を楽曲に込めたハードロックで真っ向勝負してきました。
そしてそれは大衆に受けいれられ、この大ヒットにつながります。

 

確かに装飾を施されたロックもきらびやかで僕は好きなのであるが、彼らのように、楽曲の良さそのものと勢いで挑んできた姿勢も好感が持てます。
実際、アルバムに含まれる曲はヘヴィでかっこいいのだが、かならずそこにはメロディがあり、キャッチーなのです。
楽曲はほとんど彼ら自身が作ったものなので、彼らにこの点での才能があったことのしるしと言えるでしょう。
若者特有の感情をうまく楽曲に取り入れた彼らの能力が認められたのです。

 

加えて、希代のフロントマン、セバスチャン・バックのヴォーカリストとしての魅力もアルバムの成功に欠かせなかったのも間違いないでしょう。
様々な感情を歌に乗せて表現し、シャウトもただ叫ぶだけでなく、楽曲にふさわしい仕方で用いられています。
このカリスマティックなヴォーカリストはこのアルバム製作時点で21歳。
まさに激しい楽曲そのままに感情移入を行なえたに違いありません。

 

純粋に激しいロックンロールを聴きたい人には絶対にお勧めのアルバムです。

 

そしてとりわけ、超名曲であるパワーバラード、I REMEMBER YOUだけは何とかして見聞きして、僕の言ったことが本当かどうか確かめて欲しいと心から願います。

チャート、セールス資料

1989年リリース

アーティスト:SKID ROW(スキッド・ロウ)

1stアルバム、SKID ROW(スキッド・ロウ)

ビルボード誌アルバムチャート第6位 アメリカで500万枚のセールス

1stシングル YOUTH GONE WILD(ユース・ゴーン・ワイルド) ビルボード誌シングルチャート第99位、Mainstream Rockチャート第20位

2ndシングル 18 AND LIFE(エイティーン・アンド・ライフ) シングルチャート第4位、Mainstream Rockチャート第11位

3rdシングル I REMEMBER YOU(アイ・リメンバー・ユー) シングルチャート第6位、Mainstream Rockチャート第23位




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