2枚同時リリース 36thシングル TESTAMENT

声優活動20年目に出された2枚同時シングル





2017年7月、声優活動20周年に出されたシングルDestiny’s Prelude
これは劇場版「魔法少女リリカルなのは Reflection」の主題歌である。

 

そしてもう一枚のシングルもアニメ作品で、タイトルはTESTAMENT
こちらはTVアニメ「戦姫絶唱シンフォギアAXZ」の主題歌である。

戦姫絶唱シンフォギアシリーズの楽曲について

奈々さんはシンフォギアシリーズでも数多くの楽曲を歌ってきています。

 

第1期(2012年)
オープニング主題歌 Synchrogazer(オリコン第2位)

 

第2期(2013年)
オープニング主題歌 Vitalization(第3位)

 

第3期(2015年)
オープニング主題歌 Exterminate(第3位)
挿入歌 Glorious Break

 

スマートフォンゲーム『戦姫絶唱シンフォギアXD UNLIMITED』(2017年)
主題歌 UNLIMITED BEAT

 

奈々さんはシンフォギアシリーズでは、風鳴 翼(かざなり つばさ)というキャラクターの声を担当しています。
そしてこれまで5年ほどにわたって楽曲に参加してきました。
これらの楽曲のどれも、激熱の楽曲となっていますが、その流れで、今回も十分に熱い歌を聴かせてくれています。

Tr.1 TESTAMENT

作詞:水樹奈々

作曲:上松範康(Elements Garden)

編曲:藤田淳平(Elements Garden)

 

この曲は戦姫絶唱シンフォギアの第4期のオープニング主題歌となっています。
ちなみに4期が制作に入る前から既に第5期の制作が決定しているという、超人気作品であります。

 

作詞は4期連続、オープニングテーマは奈々さんの担当です。

 

ニコ生では、この曲の作詞に関してこんなやりとりが。

 

鷲崎:長く続くシリーズの曲(歌詞)を書くのって・・・。

奈々:すごく難しいです。
「なのは」もそうなんですけど、やはりシリーズ続いていくと、姉妹曲であるというつながりを持たせながらも、新たなアプローチをするというのがすごく難しくって。
斬新なことをやりたくても、そうすると、物語の毛色から(変わってしまう)。

鷲崎:特に今回は5期も・・・。

奈々:でもそのことはまだとりあえず、おいといて。

鷲崎:そうですよね、5期の分ののりしろを残しながら、今回作るなんて出来ないですよね。

奈々:なので、もう全力投球です。
中にも戦闘曲もたくさん出てくるじゃないですか。(キャラソン等)
だから、その熱量も上がっているし、なので、そことはまた違った角度で書けるといいなあ、って思って。

 

まあ、毎回目の前のことに全力投球するのは奈々さん、全くブレてません。
もはや、作詞家さんが板についているようです。

 

そして、作詞に関する質問に関してはこんな風に答えておられます。

 

質問:続編作品を担当するときは、1期や前作の作品のことを考えながら作詞やレコーディングをしているのでしょうか。

奈々:いつも振り返って聴いたり、見たり、いろいろしてます。

鷲崎:その時の自分の気持ちも蘇ってきますよね。

奈々:そう、このときこんなこと思いながら書いたなあとか。
この時も苦しかったなあとか。

鷲崎:引きずられたりしないですか。「もう無理だ、あたし、今日、」ってなんないっすか。

奈々:・・はならないです。
でも過去の自分との戦いというのがあって、作詞だと。
「あ、水樹、いいこと言ってるね」、みたいな時があるんですよ。

鷲崎:「うわ、わたし、この頃天才」みたいな。

奈々:「あれ、なんでこんなのが書けたんだ、くそーっ」みたいな。
5年前のわたしに負けないぞっ!」みたいな戦い。
やっぱりそれぐらい入って書かないとだめだから、100%自信を持って出さないとだめだから
別に自分すげーって言ってるわけじゃなくて。
最初の13年前の「なのは」の主題歌はinnocent starterで、わたし、24歳で書いてるんですけど、そのころの自分のほうが頭いいんじゃないかって思うときがある。
だから、ほんとに常に戦いなんです、自分との

 

多忙を極める声優活動に、歌手や作家活動までエネルギッシュにこなしている奈々さん。
作詞も天才的に楽にこなしてるわけじゃないんですね。
過去の自分と戦いながら、必死でいいものを作り出そうとしておられる様子が垣間見られるインタビューです。
そのような戦いの末、出来上がったTESTAMENT。

 

しかし、それを歌うのはまた過酷だったらしい。

 

というのは作曲者は、上記の奈々さんがらみのシンフォギア曲全てを手掛けている上松範康氏だからだ。
BPM約190という超高速ソングを今回作っておられる。
ご自身のツイッターではこうツイート。

 

作曲、気合い入ってます!
シンフォギアOP曲では、 ずっと温存していた 8ビート(高速4つ打ち)の 封印を解きました。
歴代最高速のシンフォギアOP曲です!

 

これまでのも激熱な楽曲ばかりだが、今回はさらに熱いものを準備しておられる。

 

そして奈々さんはニコ生で、この楽曲についてこう語っておられる。

 

鷲崎:いかがでした、今回は。もう、まあ、やり慣れたコンビですし。

奈々:ですけどー。
これでもかこれでもかとハードルを上げてくるんですよ、上松さんは、ほんとに。
わたしがレコーディングでひぃひぃしてて、「いや奈々ちゃん大変だったよね」ってニコニコしてて。
ライヴ見に来てくださるじゃないですか。
それでわたしが、レコーディングの時より進化して、(曲が)ちゃんと体の中に入ると、走りながらでも歌えたり出来るようになっていったりするじゃないですか。
その姿を見て、「もっと足りなかったかぁ、もっといけるなぁ」っていう。

鷲崎:今回の曲はフィジカルにフィットするのにどれくらいかかりそうですか。

奈々:これは・・・。
でもね、こないだ、音楽の日っていう番組で、深夜にね、まさか3時くらいに歌うことになったんですよ、この曲。
大変だったんですから。
レコーディングの後の初披露が、深夜3時になるとは思わなかったから。
だから、鍛えられて、かなり距離感縮まりましたよ、わたしの中では。

 

鬼のような上松さんの楽曲、そしてそれをなんだかんだ言いながらも、自分のものにしていく奈々さん
素晴らしいコンビですね。

 

実際、シリーズの他の曲に見劣りしない、素晴らしい楽曲になったと思います。
上松節たっぷりの激しい楽曲です。
彼のツイートでもあるように、高速4つ打ちのリズムで、がんがん攻めていきます。
途中ではストリングスの音色がたっぷりと楽曲を彩り、いつものシンフォギアのサウンドが楽しめます。
奈々さんも見事に歌いきっておられますね。

 

そしてインタビューにも出た音楽の日。
午前3:00ごろにBRIGHT STREAM と このTESTAMENTの2曲を披露してます。
見てる限り、全く問題なく歌ってます。
奈々さんの父親の、「歌手はどんな環境でもちゃんと歌えないといけない」というスパルタ教育が効を奏してか、奈々さんしっかりと歌い上げていました。

 

BRIGHT STREAMはさすがに名曲ですね。
わかりやすいきれいなメロディで、一般の方にもアピールできる曲だと思います。

しかし、TESTAMENTは初めて聴く人が一回見ただけでは、ちょっとポカンとなってしまいそうな難曲ではあります。
その上、2分40秒ほどに編集された曲だったので、展開もわかりづらかったと思います。
やはり、奈々曲は、フルコーラス聴いて初めて価値がわかるものが多いですからね。
そういう意味では、朝三時の生放送1分20秒ほどカットされた、という2重苦であったと思われます。

 

しかし、そんなのは何も関係ない、とばかりに全力で歌って見せた奈々さんは、やっぱ素晴らしいプロフェッショナルですね。
非常に熱量のある楽曲を熱唱してくださいました。

Tr.2 ACROSS

作詞・作曲 : 吉木絵里子

編曲 : 藤間仁(Elements Garden)

 

この曲はスマートフォン向けアプリケーション「テイルズ オブ アスタリア 追憶の楽園(エデン)」テーマソングとなってます。

 

吉木絵里子さんが作詞作曲された曲です。
吉木さんらしく、メロディがとても美しいですね。
僕は吉木作品が非常に好きです。

 

吉木さんは過去の水樹作品でも多くの名曲を提供してくださっています。

愛の星
アンティフォーナ
終末のラブソング
時空サファイア
純潔パラドックス
はつ恋
PHANTOM MINDS
BRIGHT STREAM
BLUE
約束

このように、美しいメロディが印象的な楽曲ばかりです。
吉木さん作の曲に外れはありません
どれも、素敵な楽曲です。

 

そんな吉木さん作曲の(今回は作詞も)ACROSSも、やはりメロディの美しい楽曲になっています。
この曲もストリングスアレンジが、美しく曲を彩っています。

 

メロディも、少し古風な感じのあるメロディが印象的です。
それに疾走感が加わり、奈々さんお得意のロングトーン&ビブラートに持ち込める展開は完璧ですね。
とてもいい曲だと思います。

Tr.3 ファンタズム

作詞・作曲 : 加賀山長志

編曲 : 高橋浩一郎

 

この曲はなか卯のCMソングとなってます。

 

なか卯のCMソングといえば、名曲恋想花火が思い出されます。
今回はそれに続く第2弾のようです。

 

作詞作曲の加賀山長志さんは、奈々さんと同じ愛媛県の方で、宇和島市におられるようです。
アイカツ!と呼ばれる作品に数曲楽曲を提供しておられるくらいしかわかりませんでした。

 

いずれにしても、楽曲はちょっとおしゃれな雰囲気漂うポップな歌で、とてもいいですね。
軽やかなピアノの音色と、その裏で聴こえるギタークリーントーンのカッティングが、お洒落感を演出してます。
歌詞は2057年という近未来が舞台になっていて、ログアウトできないリアルからヴァーチャルに逃げ込むなんて、発想がすごいです。
リアルからログアウトできるなら、ちょっとやってみたい人は大勢いるのではないでしょうか。
そんな近未来の予言的な歌詞が印象的です。
また、奈々さんの語りが入るところなどは声優さんならではですね。

 

歌詞はそのようにちょっと重いものですが、軽やかな楽曲のおかげで、心地よく聴けるものとなっています。

まとめ

水樹奈々さんの36thシングル TESTAMENTはオリコンウィークリーで第2位を獲得しました。

 

シンフォギア曲らしい楽曲で、非常にかっこいいいつもの水樹節、上松節を聴かせてくれます。

 

また、カップリング曲も2曲も、なかなかいい曲なのでおすすめです。

 

今、奈々さんはミュージカル真っ最中だと思います。
チャレンジャーな彼女を僕は尊敬しています。
ミュージカルを経験して一回り大きくなった奈々さんが、次に何を見せてくれるか、本当に楽しみです。

 

11月15日にリリースされる、NANA MIZUKI LIVE ZIPANGU×出雲大社御奉納公演 〜月花之宴〜のブルーレイを見ながら温かく見守りたいと思います。
皆さんもご予約お忘れなく。