Poppin’ Party 11thシングル ガールズコード  c/w  切ないSandglass

2018年10月03日 (水)に、Poppin’ Party(通称:ポピパ)の11thシングルとなる、ガールズコードがリリースされました。

7月11日リリースの10thシングル 「二重の虹(ダブル レインボウ)/最高(さあ行こう)!」から約3ヶ月と、なかなかのハイペースでシングルを出し続けています。
切りのよい10thシングルでは、オリコンウィークリーチャートで自己最高の第4位を記録し、さらに勢いをつけてのリリースとなりますね。
11thではまた新たな世界へと進みだした印象があります。

 

アニメ2期のBanG Dream! 2nd Seasonが2019年1月に始まり、そのオープニング曲が「キズナミュージック♪」と決まってますので、アニメ2期前の最後のシングルとなるようです。

 

そんなつなぎ的な位置にあるからと言って、捨て曲なんかではありません。
今回も、ポピパの名曲群に連なるにふさわしい、素敵な曲に仕上がっています。
特に、2016年02月24日リリースのデビューシングル、「Yes! BanG_Dream!」から11枚ものシングルを積み重ねてきた、時の流れを感じさせる、秀曲だと思いますね。
5人で重ねてきた時の尊さと、切なさがいい具合にからみあった楽曲で、ポピパの成長がよく感じられると思います。

 

では、いつものように簡単にレビューしてみたいと思います。



Tr.1 ガールズコード

作詞:中村航
作曲:藤永龍太郎(Elements Garden)

 

作詞は、当然のごとく、原作者の中村航先生です。
今回は夏から秋に移るタイミングで、可愛らしくも、とっても切なくセンチメンタルな歌詞を書いてくれました。

 

まずは、タイトルですが、「ガールズコード」ってのはどんな意味があるのか。
恐らく造語のようですね。
一般にドレスコードってのがありますが、そこから取られたのではないかと思ってます。
ドレスコードは、さまざまな場面に求められる服装(ドレス)の規定(コード)のことですね。

 

そこにガールズ(女の子たち)の要素を加えて、「ガールズコード」というわけですね。
コード(英語:code)の意味はいろいろありますが、ここでピッタリくるのは「作法、行動規範」かな、と思えます。
つまり「ガールズコード」とは、直訳すると、女の子たちの行動規範、って感じでしょうか。
これじゃちょっと固いな、って思ってると、Real Sound(リアルサウンド)さんの記事のなかでは、「女の子のお約束」となってました。
うわっ、これは間違いなくピッタリだ、素敵だ、と思わされましたね。

 

というわけで、ガールズコードの意味は、「女の子たちのお約束」で間違いないでしょう。

 

で、歌詞の中では、食事、映画、カラオケといった、アニメの主人公たちの世代の女の子たちの普通の日曜日が描かれています。
そして、それは彼女たちにとって全然特別なことではありません
サプライズなど必要なく、他愛のない会話や仕草や笑顔が、普通の日曜日を輝かせているのです。

 

そんなシアワセを感じながらも、過ぎていく時の流れも同時に感じて切なくなっていく感情も描かれてるものだから、余計にこっちも切なさ倍増です。
寂しいことも、泣いちゃうことも、寂しくて帰りたくないことも、言わないのが「ガールズコード」なのに、そんな感情が歌の端々にあふれこぼれてて、聴いてる僕がすっかりおセンチになってしまいます。

 

特にラストでは、帰りたくない、あと少しだけ、5分だけ、夜を止めて、って言っちゃってます。
もう、目頭が潤んでしまうしかないでしょう。
楽しい時間、幸せな瞬間、誰もが時が止まったら、と考えるものです。
高校生の女の子の、まばゆいばかりのキラキラした時間を止めて、っていうのを誰が止められると言うのでしょうか。
最後にその感情を素直に言葉に出させた中村先生、さすがです。

 

また、蛇足かも知れませんが、ちょうど夏から秋に移りゆく時間も一つのテーマになっているようです。
ギラギラした夏のイメージから、秋に変わっていくこの季節の変わり目ってのも、切なさを倍増させるツールとして使われているのでは、と思います。
カラオケの選曲も真夏と秋では違う、って歌ってるように、強く意識しなくても、自然と季節の移ろいが感情に影響を与えているんですね。
楽しいばかりの時間の中でも、そんな些細なところにも切なさが演出されてて、これも素敵だと思います。
そして、ちょうどアニメ1期のOVAでは、8月の出来事が描かれて終わってました。
2期の内容がどこから始まるのかはわかりませんが、ちょうど、1期と2期をつなぐはざまの様子を歌っているところも、心憎い設定だと感じました。
2期への期待を高める、つなぎの(いい意味で)一曲になったと思います。

 

さて、楽曲ですが、ポピパではおなじみの藤永龍太郎さんですね。
「キラキラだとか夢だとか ~Sing Girls~」「八月のif」「Happy Happy Party!」「Light Delight」の作曲者です。
切ない系のメロディメイカーと言ってもいいかもしれませんね。
BPM125くらいの、ポピパにしてはミドルテンポのバンドサウンドになっています。

 

歌詞の世界の、ハッピーな部分と切ない部分が、いい感じでメロディに乗ってますね。
基本、メロディがとってもいいと思います。
特別に奇をてらった部分はなく、オーソドックスな名曲が誕生したと思います。

 

そして、今回の愛美さんのヴォーカルも非常に心が入っていて素晴らしいです。
高校生の女の子たちの無邪気な面と、実は心のどこかに抱えている寂しい気持ちの歌い分けが最高ではないでしょうか。
やっぱり、愛美さんすごいって思いますよ。
戸山香澄になりきってるからこそ、こんな歌い分けが出来るんだろうと思います。
やはりいつも思っていることですが、声優さんってすごいです。

 

あと、残りの4人のハモリもいつもながらばっちりですね。
歌詞の中で、ハモりハモられシアワセ一秒ごと感じている、ってありますが、このリアルの5人もきっとそうなんじゃないかなって思えるところもこのプロジェクトの素敵なところですね。
アニメの登場人物の活躍と同時に、中の人の活躍と成長も同時に見せていく、という趣旨は、なかなか他ではないのではないでしょうか。
もはや、声優は真の意味で裏方ではなくなってしまっているんです。

 

CDではいつものように、演奏はプロのミュージシャンが録音しておられます。
これをライヴでポピパの5人がどのように披露するか、とっても楽しみです。
BPMが中くらいなので、難易度はそんなに高くはないのでは、と思われます。
間奏では、キーボード、ベース、ドラム、そしてギターソロ、と、各メンバーの見せ場も準備されてますね。
一般に、なかなかこんなバンドの全員をフィーチャーする楽曲って少ないですよね。
でも、ポピパはバンドの楽しさを見せる、という使命も持っていますから、どんどんやっていって欲しいものです。
随分と成長を遂げた、リアルバンドのポピパの5人からすると、この程度のプレイであれば問題なく演奏できることでしょう。

 

次の12月8日の「BanG Dream! 6th☆LIVE  Let’s Go! Poppin’Party!」での披露を大きな期待とともに待ちましょう。

 

Tr.2 切ないSandglass

作詞:中村航
作曲:上松範康(Elements Garden)

 

今回は切ない系で攻めておられますね。
明るく楽しいポピパからの成長、脱皮を図っているのでしょうか。
というよりも、むしろ演奏と表現の幅が広がっていると思えますね。

 

作詞は、安定の中村航先生。
可愛いく切ない「ガールズコード」とは打って変わって、こちらは歌詞も本気で切ないモードです。

 

タイトルは「切ないSandglass」
Sandglass砂時計の意味の英語ですね。
砂時計が切ないってどういうことよ、って感じもしますが、切なく過ぎていく時間がこちらもテーマになっているようですね。
こうして聞くと、砂時計をひっくり返して砂が落ちていく様子は、確かに切ない気もしてきます。
誰にも気付かれずに落ちていく時間」って中村先生、やっぱすごいな、って思います。
瞬く間に、いつの間に過ぎていく時間を、ひそかに静かに落ちていく砂時計の砂を通して表現しているわけです。

 

春夏秋冬の流れが描かれていますが、出会って過ぎていくキラキラした時間は、砂時計と同じで、いつか終わってしまうのです。
でも、そんな残酷な現実を知りつつも、今出会って過ごす時間はまぶしくきらめき、かけがえのないものなのです。
その一見矛盾したような時の流れの中で、「今のすべてを大切にし、歌いながら、笑いながら、かみしめる」と歌ってます。

 

なんと切ない歌ではないでしょうか。

 

いつかは過ぎてしまう短い青春を、だからこそ大切にしようという、メッセージの伝わってくる、これまたいい曲になってますね。

 

そして、今回の作曲は久々に来ましたよ、上松先生。
ポピパの初期には数々の神曲を量産してくれてた上松さんが、7thシングルの「Time Lapse」以来となる久々の登場です。
最近は、ロゼリアの方で、かっこいい曲を量産していたので、ポピパが二の次にされているようで、寂しい思いをしていましたが、久々に帰ってこられました。

 

もう、キーボードとギターアルペジオのからむイントロから超かっこいいですね。
そこに、バスドラの高速4つ打ちのリズムにベースとギターリフが加わって疾走感あふれるバンドサウンドへ
最初のわずか25秒で、ロックバンドとしてのポピパの魅力全開になっております。

 

そして、切な優しい愛美さんのヴォーカルが静かに歌い始めます。
ちょっとおちゃらけてた「ガールズコード」とは全く違う、切ないヴォーカルを聴かせてくれます。
やっぱり、愛美さん最強と、こっちの曲でも思ってしまいます。

 

そのヴォーカルに絡んでスピードアップするバンドサウンド、そして4人の美しいコーラス。
完璧にポピパサウンドであるに間違いありません。
BPM約184というなかなかの高速曲なのにこんなに切ないのは、やはり歌メロのメロディの良さということになるでしょう。
やはり上松さんの曲は好きですね、僕は。

 

サビの疾走感、美しいコーラスとの掛け合いも鉄板のかっこよさと切なさを共存させています。
そして、間奏も非常にかっこいいです。
キーボードが非常に効果的に用いられて、その静寂を打ち破るように入ってくるギターソロ
バンドならではの、素晴らしいアクセントとなる間奏になっています。

 

ただ、一つだけ気になった点があるとすれば、上松さんにしてはかなりシンプルな曲だな、ってこと。
4分ちょっとという短い楽曲です。
今までの楽曲であれば、ラストにさらにもう一ひねりといった展開を見せてくれて、初心者バンドだったポピパにとっては鬼のような楽曲を提供していたはずでしたが。
今回はちょっと、上松さんにしては、ひねりが少ない、とも感じてしまいました。

 

でも、この切ない楽曲だからこそ、シンプルにしたのかもとも思えますね。
「1000回潤んだ空」のようにジェットコースターのように目まぐるしく展開させるのももちろんかっこいいですが、それを封印して敢えてシンプルな楽曲に収めたのかもしれません。
そう考えると、4分であっけなく終わった感じ、というのが、まさに砂時計の砂の最後の一粒が落ちた、という感覚とつながるような気もします。
素敵な時間は永遠には続かない、ってのを楽曲でも表現した、と思うのは、深読みしすぎでしょうか。

 

それはさておき、この曲も、速くライヴで見たい名曲の一つになりましたね。

 

愛美さんの歌ももちろんですが、5人の楽器プレイヤーとしてのパフォーマンスも非常に楽しみに思える出来になっていると思います。

 

キーボードが全編で目立ってますが、伊藤さんがコーラスをしっかり入れながらもきっちりプレイしてくれるに違いありません。
ギターも、同じく全編で、表でも裏でもしっかり目立ってます。
大塚さんの得意げなギターソロとともに楽しみです。
ベースもしっかり効いてて、いつもどおりバンドに欠かせないグルーヴをしっかり出してますので、西本さんが余裕でこなすのも見たいですね。
高速曲でありながらも、けっこうメリハリ、緩急の大きいこの曲の土台としてドラムスは非常に大事ですが、大橋さんが、笑顔とともに叩ききってくれるでしょう。
そして、愛美さんはリズムギターを奏でながら、しっかり切ない歌で5人を引っ張ってくれるのも目に浮かぶようです。

 

6thライヴでの披露が、超楽しみになりました!

ポピパのこれからの展開

まずは、前述のとおり、12月8日には両国国技館にて「BanG Dream! 6th☆LIVE  Let’s Go! Poppin’Party!」が開催されます。
恐らく、この11thシングルの2曲も披露されると思われますので、非常に楽しみですね。

 

ていうか、在宅バンドリーマーの僕はいまだにBanG Dream! 5th☆LIVE Day1:Poppin’Party HAPPY PARTY 2018!見れてないのです・・・orz
現場に行かれる歴戦のつわもののバンドリーマーの皆さんと違って、在宅でのみ楽しんでいる僕は、円盤にならないとライヴが見れないという辛い宿命を背負っているのです。
5thライヴが5月12日だったので、うまく行けばこの11thシングルの生産限定盤に5thライヴが付属するのでは、と淡い期待を抱いていましたが、残念ながら持ち越しとなってしまいました。

 

ブシロードの偉い方、どうぞ、一刻も早く5thライヴのブルーレイ化、商品化をお願いしたいと思ってます。
きっと僕以外の全国の在宅バンドリーマーも願ってると思います。

 

さて、12月12日(水)には早くも次のシングルがリリースですね。
この日には3タイトル同時リリースになっています。

 

Poppin’Party「キズナミュージック♪」

Roselia「BRAVE JEWEL」

RAISE A SUILEN「R・I・O・T」

 

ポピパの曲は、 2019年1月から放送されるTVアニメ「BanG Dream! 2nd Season」のオープニング曲ですね。
そしてロゼリアの曲もまた同じく、オープニング曲ということで、ダブルオープニングとなるらしいです。
いったいどんな感じになるのかは、もはや見てのお楽しみということでしょう。

 

もうすでに、視聴動画はアップされているので聴けますが、ポピパはポピパらしくロゼリアはロゼリアらしい、いい出来になってますね。
アニメ2期もとても楽しみになってきます。

 

ちなみに3つ目のRAISE A SUILENとは、THE THIRD(仮)と名乗っていた、バンドリ!プロジェクトからの3番目のリアルバンドですね。
イベントでは、Afterglowアフターグロウ)、Pastel Palettes(パステルパレット)、ハロー、ハッピーワールド!の楽曲をバックバンドとして演奏しておられるバンドです。
そのバンドが、ついにオリジナル曲でシングルデビューというわけになっています。

 

さて、ポピパの新曲に、ブルーレイ付き生産限定盤が出るのか、期待が膨らみます
早いとこ、BanG Dream! 5th☆LIVE鑑賞したくてたまりませんからね。
もちろん、ロゼリアのDay2:Roselia -Ewigkeit-も当然見たくてたまりません。
この新曲同時発売で一気に5thライヴのポピパ、ロゼリアの両日のライヴを見ることができれば、これは最高の展開と言えるでしょう。

 

ついでで言えば、RAISE A SUILENのライヴアルバムも映像化され、このシングルの限定盤に付属されれば最高です。
RAISE A SUILENのパフォーマンスもそうですが、それ以上に、リアル弦巻こころ伊藤未来さんのパフォーマンス超見てみたいのが、本音だったりもしますけどw

 

僕の希望が奇跡的にかなって、同時発売のこの3枚すべてにブルーレイ付き生産限定盤が出たら、僕は超ハッピーですが、お財布は結構大変だと思われます。
まあ、無駄使いはやめて、この12月の奇跡に期待をもちつつ生きていきたいと思います。