80年代を代表するモンスター・アルバム  MICHAEL JACKSON - THRILLER

マイケル・ジャクソンとの出会い





僕が洋楽を聴き始めたのが1983年のことだから、既にマイケルは1982年リリースのアルバムTHRILLER(スリラー)で世界中を席巻していました。
アメリカでは全米アルバムチャートを37週連続1位という化け物アルバムになっています。
売り上げはアメリカだけで3000万枚、全世界では6500万枚を超えると言われる、途方もない大ヒットアルバムです。

 

日本でも当然のように大ヒットしていたものだから、洋楽初心者の僕が飛びついたのも無理もないでしょう。

 

弟の友達からカセットに録音してもらって、アルバムを聴く事になりました。
もはやこれだけ売れてるのだから、知らない人はいないのかもしれませんが、一応僕なりの楽曲紹介をやってみたいと思います。

 

では今日は、無謀にも、1982年リリースのMICHAEL JACKSON(マイケル・ジャクソン)の6thアルバム、THRILLER(スリラー)をご紹介したいと思います。

THRILLER(スリラー)の楽曲紹介

オープニングを飾るのはWANNA BE STARTIN’ SOMETHIN’(スタート・サムシング)。

 

イントロは、これから何かすごいことが始まる予感を感じさせるわくわくさせるものになっています。
そして曲はダンサブルで、踊れない僕でも体が動き出しそうなノリノリの曲になっていますね。
確かにここから伝説は始まるのです。
アルバムのイントロとしてピッタリな楽曲になっています。

 

この曲はアルバムからの4thシングルとしてカットされ、ビルボード誌シングルチャートで第5位、同誌Hot R&B/Hip-Hop Songsチャートでも第5位を記録しています。

 

2曲目は、BABY BE MINE(ベイビー・ビー・マイン)。

 

これは少し大人なダンスナンバーになっています。
派手ではありませんが、ベース音も効いていてやはり体がうずく曲です。
少し、アルバムの中では目立たない位置にあるものの、ダンス曲としてのクオリティはとても高いと思えます。

 

3曲目はTHE GIRL IS MINE(ガール・イズ・マイン)。

 

この曲の売りは何と言ってもPaul McCartney(ポール・マッカートニー)とのデュエットだ、ということになるでしょう。
ポールは以前にはStevie Wonder(スティーヴィー・ワンダー)と「Ebony and Ivory(エボニー・アンド・アイボリー)」で共演しています。
彼は白人と黒人との調和が人類の調和につながることを楽曲を通して世界に発信していました。
そして今度はマイケルとの共演です。

 

このような超有名人によるアクションは、偏見を取り除く点で非常に有効な手段だと思います。
結果として、大ヒットを記録し、アルバム発売前の幸先のよいスタートを切ることができました。
楽曲も、とても和やかなもので、マイケルとポールの仲良さげな感じが曲に滲み出していて、とても好感が持てます。
もちろん、メロディもよいのでヒットは当然の結果と言えるでしょう。

 

この曲はアルバムの先行シングルとしてリリースされ、シングルチャートで第2位、Hot R&B/Hip-Hop SongsチャートでNo.1、 Adult ContemporaryチャートでもNo.1を獲得しています。

 

A面ラスト4曲目は、THRILLER(スリラー)。

 

このアルバムのタイトルソングであり、いわばハイライトでもある楽曲と言えるでしょう。
ドアを開くときのきしむ音、雷、人が右から左へ歩いて行く、狼が遠くで遠吠えをしている。
これらの効果音から始まるこの曲はスリリングな、そしてあまりにも有名なイントロと共に始まります。

 

Aメロが始まると、これもクールなダンスミュージックだと気付けます。
サビもあまりにも有名になっています。
しかし、途中で入る、「ダッ」、とか「フォー!」とか、マイケルはやっぱりオリジナルだなあと感心させられますね。
そして、最後はナレーションと共に高笑いで曲は終わります。

 

こうしてドラマ仕立ての一曲が終わるわけですが、それをさらに引き伸ばしてミニドラマにまで引き上げたPVもやはり、80年代を代表するヴィデオとして必見のものと言えるでしょう。
PVにおいてはマイケルのゾンビたちを従えたダンスと、特殊メイクが見ものとなっています。

 

この曲は何とアルバムからの7thシングルとしてカットされ、シングルチャート第4位、Hot R&B/Hip-Hop Songsチャートで第3位を記録しています。
これはアルバムからのラストシングルになりましたが、それがこの成績とは、いかに当時、マイケル旋風が吹き荒れていたかを知れる数字ではないでしょうか。

 

B面1曲目はBEAT IT(今夜はビート・イット)。

 

これも文句なしの名曲ですね。
ダンスミュージックに切れのよいギターリフを絡めることで、ハードロックテイストなダンスナンバーになっています。
こんな新鮮な感覚はやはり参加ミュージシャンからのフィードバックと言えるでしょう。
イントロや間奏のキレのあるギターリフは、TOTOSteve Lukather(スティーヴ・ルカサー)によるプレイになっています。
楽曲にマッチするだけでなく、クールさを増し加える、まさに職人業と言えます。
彼はベースも弾いています。
そして、Steve Porcaro(スティーヴ・ポーカロ)がシンセで、Jeff Porcaro(ジェフ・ポーカロ)がドラムで参加しており、TOTOメンバーが楽曲を盛り立てているのも見逃せません。

 

そしてそれもすごいのですが、さらにすごいのがギターソロです。
なんとEdward Van Halen(エディ・ヴァン・ヘイレン)がソロパートを担当しているのです。
ゆっくりと低音から、タッピングハーモニクスを使いながら高音域にあがってからのライトハンド奏法。
それからも自在に弾きまくり、早弾きトレモロで大団円。
短いソロですが、このハードテイストのダンスナンバーにピッタリのソロを披露して見せました。

 

このソロはアドリブだったそうですが、見事に楽曲にはまっていると同時にエディの個性も十分に詰め込まれています。
美しいギターソロではないでしょうか。
ちょうどアルバム1984が出る少し前の、まさにブレイク寸前の熱さが封じ込まれている。
このエディの参加も、このモンスターアルバムに華を添えることになったのは間違いないでしょう。

 

この曲はアルバムからの3rdシングルとしてカットされ、シングルチャートでNo.1、Hot R&B/Hip-Hop SongsチャートでもNo.1、Mainstream Rockチャートで第14位を記録しています。

 

2曲目はBILLIE JEAN(ビリー・ジーン)。

 

これも文句なしにいい曲ですね
淡々と進む曲にマイケルのヴォーカルが熱く乗っかります。
やはりアレンジがいいのでしょう、結構単調な曲の構成なのに、聴いてて引き込まれます
シンプルなベースラインや、ささやかな装飾音、ドラムもただただ気持ちよくビートを刻んでいます。
ギターソロはBEAT ITのそれと比べて、非常に抑えたソロになっています。
ただそれだけなのに非常に魅力的なのです。
なんて不思議な曲なんだろうと思えますね。
これも当然マイケルの代表曲に数えられるでしょう。

 

アルバムからの2ndシングルとしてカットされ、シングルチャートで7週連続No.1、Hot R&B/Hip-Hop SongsチャートでもNo.1、Adult Contemporaryチャートで第9位を記録しています。
また、1983年のビルボード誌の年間チャートは第2位となりました。

 

3曲目はHUMAN NATURE(ヒューマン・ネイチャー)。

 

これはは打って変わってとても優しい楽曲です。
静かで、どちらかというと地味なイメージではありますが、美しいコーラスもあってなかなかの名曲に仕上がっています。
当時はまだBADなイメージは皆無だったと思うので、このような優しい歌声のマイケルに、多くのリスナーが心を奪われたのでしょう。
また、この曲ではさらにDavid Paich(デヴィッド・ペイチ)を加えたTOTO4人組が参加しています。

 

この曲はアルバムからの5thシングルとしてカットされ、シングルチャートで第7位、Adult Contemporaryチャートで第2位、Hot R&B/Hip-Hop Songsチャートで第27位を記録しています。

 

4曲目は、P.Y.T(PRETTY YOUNG THING)。

 

ヒューマン・ネイチャーで一呼吸置いた後、またポップなダンスナンバーの登場です。
マイケルらしい、軽いノリの気持ちいいポップソングになっていますね。

 

この曲はアルバムからの6thシングルとしてカットされ、シングルチャート第10位、Hot R&B/Hip-Hop Songsチャートで第46位、Adult Contemporaryチャートで第37位を記録しています。
シングルカットしすぎやろ、って当時思いましたが、それでもトップ10キープです。
マイケル、恐るべし

 

アルバムのラストを飾るのは、THE LADY IN MY LIFE(レディ・イン・マイ・ライフ)。

 

これはR&Bテイストたっぷりのバラードになっています。
9曲中シングルカットされなかったわずか2曲のうちの一曲。
当時は僕にはやはりこの曲の価値はわからなかったとしかいいようがありません。
他のダンサブルでクールな楽曲が際立ちすぎていて、THRILLERというアルバムはそっちのほうでしか評価できてませんでした。
まあ、中学生だったから仕方ないでしょう。
しかし、今改めて聴くとマイケルが単なるポップスターではなくソウルシンガーでもあることに気付かせてくれる楽曲となっていますね。
こんな名曲がひっそりと怪物アルバムの中に潜んでいるなんてね。
スルーしてしまっていたことを反省させられます。

まとめとおすすめポイント

1982年リリースのMICHAEL JACKSON(マイケル・ジャクソン)の6thアルバム、THRILLER(スリラー)はビルボード誌アルバムチャート37週連続No.1を記録しています。
そしてアメリカだけで3000万枚、全世界では6500万枚を売り上げた、名実共にモンスターアルバムと言えるでしょう。

 

このアルバムは今でも古さを感じさせない、絶妙なアルバムとなっています。
やはり当時の天才売れっ子プロデューサーQuincy Jones(クインシー・ジョーンズ)によって、当時の最先端に仕立てられたことが大きいと思われます。
加えて、一流ミュージシャンたちがこぞって参加したことも、楽曲、アルバムのクオリティをあげることに大きく影響したに違いありません。

 

やはりこのアルバムはKING OF POPの名にふさわしいアルバムと言えるでしょう。

 

そして、もはやマイケル・ジャクソンについては語られすぎて、付け加えることはほとんどありませんが、僕の所見を述べてみたいと思います。

 

当時、マイケルは世界のアイドルとして注目を一身に集めてました。
ジャクソン5の頃のかわいい子供のころから世界は彼に注目し、そして彼はその期待に応え続けてきました
そして、今回、THRILLER(スリラー)というモンスターアルバムを世に出し、名実共に世界のアイドルになったと言えるでしょう。

 

そのころよく音楽雑誌では、PRINCE(プリンス)と比較がされていて、善でピュアなマイケルと、悪でダーティーのプリンスといった表現があちこちで見られたものです。

 

しかし、そのような評判どおりに生きて行くのがいやになったのでしょう。
次のアルバムのタイトルはBAD(バッド)。
タイトル曲BAD(バッド)ではyou know I’m bad、と歌い上げました。
本人はこのBADはいい意味で使っていると言ってたそうです。
しかし、僕はやはりダブルミーニングではないかと勘繰ります。
これまでの周りの評価が高すぎて、苦しくなってからの彼の心の叫びだったのではないでしょうか
俺はそんなに善じゃない、むしろ悪なんだ!という気持ちが曲になってあふれ出したのだと僕は思います。

 

その後、彼は奇行が目立つようになり、本当に悪のイメージがついてしまいました。

 

彼がそれを望んでいたのどうかはわからりませんが、完全な善のイメージから解放されたことにはホッとしていたのではないでしょうか。

 

キング・オブ・ポップと呼ばれた世紀のスーパースターという肩書きは彼一人で背負うにはちょっと重すぎたのかもしれません

 

そんな彼も、あっけなく旅立ってしまいました。

 

今、すべての重圧や煩いごとから解放されて、人生で一番安らかな状態であるに違いない。

 

R.I.P.(Rest In Peace).

チャート、セールス資料

1982年リリース

アーティスト:MICHAEL JACKSON(マイケル・ジャクソン)

6thアルバム、THRILLER(スリラー)

ビルボード誌アルバムチャート37週連続No.1 アメリカで3000万枚、全世界で6500万枚のセールス

1stシングル THE GIRL IS MINE(ガール・イズ・マイン) ビルボード誌シングルチャート第2位、Hot R&B/Hip-Hop SongsチャートNo.1、 Adult ContemporaryチャートNo.1

2ndシングル BILLIE JEAN(ビリー・ジーン) シングルチャート7週連続No.1、Hot R&B/Hip-Hop SongsチャートNo.1、Adult Contemporaryチャート第9位

1983年のビルボード誌の年間チャート第2位

3rdシングル BEAT IT(今夜はビート・イット) シングルチャートNo.1、Hot R&B/Hip-Hop SongsチャートNo.1、Mainstream Rockチャート第14位

4thシングル WANNA BE STARTIN’ SOMETHIN’(スタート・サムシング) シングルチャート第5位、同誌Hot R&B/Hip-Hop Songsチャート第5位

5thシングル HUMAN NATURE(ヒューマン・ネイチャー) シングルチャートで第7位、Adult Contemporaryチャートで第2位、Hot R&B/Hip-Hop Songsチャートで第27位

6thシングル P.Y.T(PRETTY YOUNG THING) シングルチャート第10位、Hot R&B/Hip-Hop Songsチャートで第46位、Adult Contemporaryチャートで第37位

7thシングル THRILLER(スリラー) シングルチャート第4位、Hot R&B/Hip-Hop Songsチャートで第3位

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