目指せ武道館!バンドリ! poppin’ partyの歩み
1stシングル Yes! BanG Dream!
Poppin’ Partyのデビューシングルはアニサマ2016でも披露した、Yes! BanG Dream!だ。
基本的にCDのレコーディングはプロのミュージシャンが行なっている。
そしてこの企画において全体のプロデュースを行なっているのが、elements gardenの上松範康氏だ。
上松氏と言えば、超絶なアニソンから、美しいバラードまで、数多くの楽曲を作ってきた大物作曲家だ。
そして、このデビュー曲、すべての始まりの曲となるYes! BanG Dream!も彼の作品だ。
最初から、キャラクターの中の人(声優さん)がアニメと同じようにリアルでバンド活動をする、という前提の下、この楽曲は作られたことになる。
しかし、ほぼ初心者に近い人ばかりの声優さんに、どの程度の楽曲をあてがうことが出来るだろうか。
最初の大きな命題はそのことだったのではなかろうか。
放課後ティータイムの例を出すとわかるように、実際に声優さんが練習して臨んだとしても、声優さんの演奏に当てられるキャパシティーは限りなく低いのが当然である。
だって彼女らは、様々なアニメやゲームや映画などのアフレコ、ラジオ出演、歌手活動、ナレーション、などなど人気声優になればなるほど多忙を極めている。
例えば、水樹奈々さんは一日の睡眠時間は4時間だと言ってました。
まあ、今回の声優さんたちはそこまでないとしても、多忙なのは変わらないはずだ。
そのような彼女たちが練習して演奏可能なキャパシティの中という制限の範囲で、アニソンとして通用するクオリティの伴った楽曲を作らなければならないわけである。
もちろんレベルを下げてやれば演奏は可能だろう。
しかし、それでは楽曲のクオリティは当然落とさざるを得なくなる。
かといって、クオリティを追求しすぎれば、バンドでの演奏という大きな柱が崩れてしまう可能性が生じる。
いかに彼女らの最大限の努力の範囲内で、最大限のクオリティをもった楽曲を作れるかどうか、それがこの最初の楽曲の肝だったと言えるだろう。
そして、上松氏は、初心者がぎりぎりがんばったら出来る、という範囲の中で、最高の楽曲を作り上げることができた、と僕は思う。
しかし、作ってみたはいいけれど、最初は彼女らに出来るか不安だったんじゃないだろうか。
噴水広場でのプロジェクト発表会において、上松氏はこのように述べている。
ブシロードの木谷社長から声優がバンドをやるって面白いと思うんだよね、って言われたときに、本当に練習をして、本当に愛を込めて音楽を奏でられるんだったら、(そのようにして)バンドが出来るんだったら絶対成功します、とお返しさせていただきました。
しかし、最初はみんなひとりひとり、とにかく楽器をどう弾くか(が大変で、でも)、最初の段階はすごく難しいけども、そこからちょっとづつ時間をかけて行くと、みんなの一人づつの努力が絆となって、バンドになっていくんですよね。
それがどんどんと出てきたので、これはいけるって思ったのは(最初の)練習から3,4ヶ月経ってからで、最初は不安しかなかったけどね。
先ほど述べたように、CDはプロがレコーディングしている。
彼女たちはそれに歌を入れただけに過ぎない。
で、後はそれを実際にバンドとして演奏できるかが重要なのだ。
そこに最初は上松氏も不安を感じていたというのが正直なところのようだ。
曲を聴いてみるとわかるようにこの曲はテンポが速い。
そんな速い楽曲で愛美さんはバッキングも弾きながら歌い上げなければならないのである。
それにBPM185の楽曲で8分のリズムをダウンピッキングのみで刻むってのは結構大変である。
歌かギターかどっちかがリズムが狂ってもおかしくない難易度だ。
またエレキギターも楽曲を彩る様々なメロディを奏でている。
加えて、ちゃんとソロコーナーも設けられている。
一つ一つのテクは基本的なものだが、あの速さで結構たっぷりと弾いている。
エレキを始めて間もない大塚さんがそれを弾けるのだろうか。
ベースラインも結構動き回っている。
そしてこのテンポの速さだ。
経験者とはいえ、西本さんは弾きこなせるのだろうか。
ドラムも、やはり速いテンポなだけに、一曲ペースを保って通すのは大変なはずである。
さらに、結構いろんなタイミングでフィルインが数多く入っている。
フィルインを入れるのは簡単だが、そこからテンポを崩さずに元のリズムに戻るのは結構難しいものだ。
大橋さんは趣味でドラムやってたと言ってたが、実際にバンドの要として安定したリズムを生み出すことができるのだろうか。
キーボードは、あまり聞こえないとは言え、全くの初心者の伊藤さんで大丈夫なのか。
タンバリンは叩けるだろう。(そこだけは安心)
楽器演奏に加えて、この曲にはコーラスが多い。
メインヴォーカルとの掛け合いもたくさんある。
さらに、ハモリも結構聞こえてくる。
ということはほぼみんながそれぞれ楽器を弾きながら、歌う必要があるということだ。
これをどこまで再現できるのだろうか。
大体、初心者バンドはまず、バンド感やグルーブを感じるために、短いシンプルな曲を選ぶものだ。
いきなり展開の難しい曲をやると、各人の技量にもよるが、完成しない恐れがでてくる。
しかし、ここで上松氏がPoppin’ Partyに与えた曲は、5分に及ぶ、展開の入り組んだ、初心者にとってははっきり言って難曲と言えるだろう。
さて彼女らはどうだったのか。
5人は期待に応えて見せた。
その一つがアニサマ2016、さいたまスーパーアリーナという大舞台でのYes! BanG Dream!ということになろう。
もちろんその大舞台に至るまでに数多くの舞台を踏んでいる。
2015年の4公演、噴水広場でのプロジェクト発表会、いろいろなゲーム等のイベント、そして2016年の1stライヴ、BanG Dream! First☆LIVE Sprin’ PARTY 2016!など、小さなものから大きなものまでこなしていった。
その中には、演奏が危うかったり、音響が危うかったり、いろんな修羅場があったようだ。
しかし、一つ一つ場数をこなしていって、彼女たちは成長を見せてくれた。
月間ブシロードTV with BanG Dream!の中で、上松氏が、「上松さんにとってバンドリ!とは」という問いに次のように答えている。
バンドを組むということはまずやったことがなかったわけですよね。
だからやったことがないことをやっていく、という成長だと思うんですよ。
その成長がどんどんと見えていくっていうのがすごく大事だな、と思っているので、そこの成長ってのを常に見せていけたらいいんじゃないか。
で、決して完成がないので、うまくいったとしてもやっぱり次の課題があるっていうそういったところを見てもらって、ファンの人たちに、本当に彼女たちががんばっている、ほんとに彼女たちが楽しんでバンドをやっている、(っていうのを見せていきたい)。
楽器がうまくなっていくのもそうだし、バンドとして魅せていくってこともそうだし、コンテンツとしても大きくなっていくことも全部合わさって成長物語だと思うので、それをひっくるめてポピパは青春って言う言葉が一言で合うようなバンドだと思ってます。
まさにここまで、僕は彼女たちの成長を見ることができている。
上松氏のそうした期待に応えてPoppin’ Partyの5人はこの楽曲を自分たちのものにして見せた。
これから、さらにどのように成長して行くかが楽しみでしょうがない。
c/w ぽっぴん’ しゃっふる
さてカップリングの曲についても少しふれておきたい。
ぽっぴん’ しゃっふる。
なんか力の抜けるタイトルだ。
普通は英語で「POPPIN’ SHUFFLE」、もしくはカタカナで「ポッピンシャッフル」と命名するのが普通であろう。
しかし、今回はひらがなのタイトル、「ぽっぴん’ しゃっふる」。
この曲も上松氏の作曲である。
このタイトルからすると、少し、彼女ら(劇中では女子高校生の設定)にあわせて曲のレベルを下げたのでは、という印象を受けてしまう。
ところが、
それはとんでもない誤解であった。
なんと今度はBPMは220のさらに速い楽曲だ。
その上、タイトルどおりシャッフルビートだ。
上松氏は鬼だと思う。
噴水広場でのプロジェクト発表会で上松氏は曲の提供についてこのように語っている。
ちゃんと演奏しやすいように考えてますよ。
僕の曲ってテンポめっちゃ速い、そういう曲ばかりかと思いますけど、でもギリギリ彼女たちの演奏レベルを見ながら、ここだったらいけるんじゃないかっていう伸び代も見た上で(作ってるんですよ)。
でも最初、この人、鬼畜だなって思われたかも・・・。
この発言に愛美さんは
(めっちゃでかい声で)思いましたーっ。
うそやーん、と思って。
もうなんか毎回壁を提示されてるような気がして、これ超えてみろ、みたいな感じで曲を下さってる感じがして。
なんか自分たちの成長につながっているな、って思うのでいつもありがとうございます。
これに対して上松さんは、
そう言ってもらえると、(ありがたい)。
すごくみんなの努力っていうのがほんとに実ったコンテンツになりつつあるなって手応え感じているんで、ぜひ応援して欲しい。
上松氏は鬼ではなく鬼畜であったか。
でもそれに応えるPoppin’ Partyの5人は大したものだと思う。
先ほども述べたようにぽっぴん’ しゃっふるはかなりな難曲だ。
後にライヴで見事にこのシャッフルビートを再現して見せている。
愛美さんはギターを弾きながら滑舌よく軽快に楽しそうに歌っている。
大塚さんも見事にエレキでシャッフルの跳ねや長いソロも笑顔でクリアしている。
西本さんはベースのソロも含めてグルーブ感はばっちりだ。
大橋さんもドラムを笑顔で叩き続け、シャッフルビートを刻んでいる。
伊藤さんはタンバリンで観客へのあおり担当としてきちんと役目を果たしている。
そしてみんな演奏しながら笑顔とコーラスを全くおろそかにしていない。
鬼畜な上松氏にメンバーは努力で応えて見せているのだ。
もはや上松氏に頼まれなくても、応援したい気持ちでいっぱいである。
おすすめライヴ
この2曲を彼女らがどのようにプレイしているかを見るには、BanG Dream! First☆LIVE Sprin’ PARTY 2016!を見ることをお勧めしたい。
まだ自前の曲が少ないので、カバー曲を入れたりして工夫している。
3rdシングル「走り始めたばかりのキミに/ティアドロップス」の初回限定盤には、2016年4月24日 東京・品川ステラボールでのライヴがフル収録されている。
またPoppin’ Partyによるオーディオコメンタリーも収録というおまけつきだ。
彼女たちの第一歩をぜひともご覧ください。
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