けいおんからバンドリへ  Poppin’ Party ー Yes! BanG Dream!




僕がアニソンにはまった経緯

僕は1983年に洋楽に目覚めてから、1990年くらいまで聴き続けた。

 

そしてそのあたりからJ-POPに目覚め、Mr.ChildrenB’zその他、多くの楽曲に接してきた。

 

そしてJ-POPに魅力を感じなくなってきた頃、一つの動画を目にする。

 

川口千里さんという高校生によるドラム演奏だ。

 

もともと僕は楽器が好きで、エレキギターがメインだが、電子ドラムも持っていて、ドラムにも興味があった。

 

そんなころYou Tubeで女性ドラマーをいろいろ見てるうちに出会ったのが千里さんだ。
そのとき叩いてたのが、GO!GO!MANIACという曲だ。
曲は全く知らなかったが、制服で叩く彼女の姿に圧倒された。

 

なんてうまいんだ。

 

もちろん技術でいったら、もっとうまいドラマーってたくさんいるはずだ。
しかし、一介の女子高生が楽しそうに、そして叩きまくる姿に引き込まれてしまったのだ。

 

そして彼女の関連動画を見まくると、彼女が叩いているのが一つのアニメ作品であることにすぐに気付いた。

 

けいおん!・・・?

 

アニメなど、小学生の頃の宇宙戦艦ヤマトや機動戦士ガンダム、中学生の頃の戦闘メカザブングルなど、確かに昔はよく見ていた。
しかし、大人になって、アニメなど全く見ることはなくなっていた。
もちろん、ある程度アニメやアニソンが流行っているのは、しばしばチャート番組にも出てきてたので知ってはいたけど、自分とは無縁の世界となっていた。
ああいうのは一部のアニヲタと呼ばれる若者が飛びついているもんだと、当時は全く気にも留めていなかったのである。

 

しかし、千里さんの動画絡みで出てきたけいおん!というワードを調べて行くうちに非常に興味がわいてきたのだ。

 

先ほど述べたように僕はギターもドラムも少したしなんでいるので、楽器には関心があるのだ。
そしてこのけいおん!というアニメは高校生になったばかりの女の子たちが軽音部に入部し、そのバンド仲間と練習したりお茶したり、曲を作ったりお茶したり、ライヴしたりお茶したりする、(ほとんどお茶だったりする)日常系のアニメということがわかった。

 

そんな中で、僕が心を打ちぬかれたのは、けいおん!!のライヴイベント「COME WITH ME」を動画で見たときだ。
なんとバンドの5人のアニメキャラクターの声優さんたちが、当てフリ(弾いているフリ)とは言え、それぞれのキャラクターになりきって演奏しながら歌っているのだ。
その中でも一番強烈だったのが、主人公、平沢唯役の声優、豊崎愛生さんがギターをかき鳴らしながら(フリだけど)ヴォーカルをとってる主題歌GO!GO!MANIACだ。

 

まさに川口千里さんが叩いていたあの曲だ。
あの電波ソングのような早口で激しいロックソングを、豊崎さんはしっかと会場を見据えて見事に歌いこなしているのだ。
もう、その姿はきらきら輝いていた。
僕は声優さんが顔出しでしゃべっているのなんて大山ノブ代さんくらいしか見たことなかったし、まして歌ってるのなんてまったく見たことはなかった。

 

裏方であるはずの声優さんが思いっきり表で歌っている世界なんて、想像したこともなかったのだ。
心を打ちぬかれた僕は、それからアニソン、特に声優アーティストの皆さんの世界にどっぷり浸かることになるのだ。

 

BanG Dream!(バンドリ!)プロジェクトとの出会い

 

それはさておき。

 

けいおんも最後の映画が終わってはや5年は経ってしまったが、ここに来て、似たようなコンセプトのアニメが始まるという情報が入ってきた。
今回も高校に入ったばかりの女の子たちによるバンドと青春の物語である。
プロジェクト名はBanG Dream!(バンドリ!)。
当然ながらけいおんロスのまま来ていた僕のアンテナはこれを逃すわけはない。

 

ネットで少しずつ情報を集めて行くと、衝撃的な情報に接する。

 

何とこのプロジェクトのキャッチコピーには、「キャラクターとリアルライヴがリンクする次世代ガールズバンドプロジェクト」とある。
これが何を意味するか理解して、僕は愕然とした。
キャラクターの中の人(声優)が実際にバンド活動をする、ということなのだ。

 

もちろんけいおん!とけいおん!!のイベントで、声優さんたちが実際にバンド風の当てフリで歌っていたのはそれだけで十分に楽しめた。
そしてサプライズで、当てフリでない本当のバンド生演奏を披露してくれたときには心が震えたものだ。
(もちろん僕は後追いファンだったので、ブルーレイでライブイベントを見てそう感じただけだけど。)
声優という忙しい仕事をしながら、こっそりバンドの練習をやっていた彼女たちの努力を思うと涙なしには見られない
もちろん、ライヴの出来、という点では初心者レベルだった。
でもそれ以上にみんなを喜ばせるために一生懸命、緊張しながら曲を披露してくれたところに大いなる意義があったのだ。
誰も彼女らにそんなレベルの高いテクニックを期待していない。
ただただオーディエンスは感動して温かく彼女らの演奏を見守ったのだ。

 

しかしだ、今回のプロジェクトはどうだ。
今回はマジらしい。
ほんとにマジの演奏ができるんだろうか

 

放課後ティータイム(けいおん!での主人公の作ったバンド名。もちろん声優さんたちもそう名乗っていた)の生演奏を見る限り、忙しい声優さんたちにはかなり低い限界があるのではないかとまずは思った。
だってやはりバンドってのは片手間にやれるものではないことを経験者の僕も多くの人も知っているのだ。
それが今度はマジにバンド活動するのがウリの一つだそうだ。
これは早くも大コケ決定じゃなかろうか、と不安に駆られながらも、僕は検索を続けた。

 

しばらくしてAnimelo Summer Live-刻-がBSで流れたのだが、その二日目になんとバンドリ!のPoppin’ Partyが出演しているではないか!!
曲はもちろんデビュー曲、Yes! BanG Dream!

 

何度繰り返し見ただろう
ここでちょっとメンバー紹介をしておきたい。

Poppin’ Partyのメンバー紹介

戸山香澄 ギター&リードヴォーカルの愛美さん。
もともと声優さんであるが、アイマスなどのライブでレスポールスペシャルというギターをかき鳴らして歌うその勇姿に引かれて抜擢されたようです。
彼女はPoppin’ PartyではランダムスターというLOUDNESS(ラウドネス)のタッカンこと高崎晃が愛用しているタイプの真っ赤な変形ギターをかき鳴らしてます。

 

花園たえ役 リードギター&ヴォーカルの大塚紗英さん。
彼女は路上で弾き語りをやったりして音楽活動をやってたところを抜擢。
エレキはほとんど未経験だった。
ついでに言えば、声優も今回初めての挑戦なのだ。
彼女はESPのスナイパーモデルの青いギターを弾いています。

 

牛込りみ役 ベース&ヴォーカルの西本りみさん。
彼女はいろんな楽器を弾いてきたバンド経験者。
ちなみに2013年のミルキーホームズのフェザーズのオーディションの決勝で、伊藤彩沙さんに破れ、涙を飲む。
そのとき特技として、エレキギターによる弾き語りをプレイして見せた。
今はピンク色のベースを愛用。

 

市ヶ谷有咲役 キーボード&ヴォーカル&タンバリンの伊藤彩沙さん。
西本りみさんを破ってフェザーズ入りを果たした声優さん。
彼女はPoppin’ Partyで唯一完全な楽器初心者
キーボードは初挑戦なので、まずは片手弾きからってな感じだったらしい。

 

山吹沙綾役 ドラム&ヴォーカルの大橋彩香さん。
アニメ内でも、また実際のリアルPoppin’ Partyでも一番最後に加入ということになる。
僕はこの5人中大橋さんしか知りませんでした。
彼女は「へごちん」で有名ですからね。
大橋さんは趣味でドラムは叩いていたようです。
過去の自分のソロ曲のPVでもドラムを叩いている様子が見られるものがあります。
しかし、バンドってのは初めてだったんではないでしょうか。

Poppin’ Partyはアニサマという大舞台でどうだったのか





さてこのようなメンバーが集まってアニサマ2016という大舞台でいったいどんな演奏を見せてくれるのか。
放課後ティータイムの生演奏レヴェルでは、さいたまスーパーアリーナの客は納得しないはずだ。

 

こぼれんばかりに笑顔の大橋さんによるハイハットのカウントとともに曲が始まる。

 

さあ飛び出そう♪

 

楽曲Yes! BanG Dream!が始まった。
いやいやいや、ちゃんと出来てるんじゃないの。
予想を遥かに上回る出来に驚かされた。

 

みんな笑顔で楽しそうにプレイしている。
そしてみんな動きがある。
跳んだり、はねたり、回ったり、煽ったり、
細かいとこより、ライヴの楽しさを優先しているようだ。
かといって演奏の手を抜いているわけでもなく、きちんとバンドが成立していた。

 

ギターソロのコーナーもしっかり作られていて、大塚さんが派手なアクションを交えて弾いていた。
もちろんプレイに荒さは見られたが、それ以上にギターを弾く楽しさが伝わってくる。

 

キーボードの伊藤さんはあまり音は聞こえなかったが、タンバリンとアクションで見せてくれていた。

 

ドラムの大橋さんは抜群の安定感だ。
だいたい、バンドを組むときになかなか見つからないのがドラマーだと思う。
絶対に安定してなきゃいけないので、結構ハードルが高い。
しかし、大橋さんは趣味のレヴェルを超えていた
それも終始笑顔で。

 

ベースの西本さんも安定している。
跳んだりしながらきちんとコーラスも入れている。
彼女のハイライトは曲のアウトロ部分で、それまでベースをピックで弾いていたのを、ピックを口にくわえて指弾きに変わっているところだろう。
経験者だな、と思わせるすごく好きなシーンだ。

 

そしてリードヴォーカルはやはり一番目立つ大事な役割を担っているが、愛美さんは、ランダムスターをかき鳴らしながら堂々と歌って見せている
それにこの曲はBPMは185というけっこうな速さの曲なのに、Aメロではブリッジミュートで8分のリズムを刻みながら歌っているのだ。
どっちかがバランス崩れそうなものだが、歌もギターも見事に両立させている。

これからの活躍に大きな期待を持てるガールズバンドの誕生

BS放送ではたったこの一曲だけしか放送されなかったのだが、これだけで、「キャラクターとリアルライヴがリンクする次世代ガールズバンドプロジェクト」というキャッチコピーはうそでも大げさでもない、ということを確信できた。
このバンドは声優が片手間にやっているわけではない。
声優業もバンドも、どっちも本気でやっているのが伝わってきた。
そして、演奏も注目だが、5人全員が歌える、というのも強みである。
水樹奈々さんを初めとして、数多くの声優アーティストの皆さんをこれまで見てきたが、全体として言えるのが、みんな歌が上手だ。
全員が歌える、というのはコーラスを入れる点でも、もちろんソロパートを歌う点でも大きな強みになるだろう。
なんてったってドラマーの大橋さんだって歌っちゃうんだから。

 

これは大きな期待を持っていいのだろうか。

 

持っていいと信じたい。

 

そして彼女らに出来るだけ活動を続けて欲しい

 

もはや子供を見守る親心のようなものさえ感じている。

 

これはけいおん!ロスの僕に一筋の光をくれる作品になりそうだ。

 


ちなみにアニサマではYes! BanG Dream!STAR BEAT!~ホシノコドウ~の2曲が披露されている。
ぜひ、その目で彼女らの本気のプレイを確かめて欲しい。

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