倒産、上場廃止のリスクに備える





Vol.5では、株価の下落による損失のリスクについて幾らかの対策について書きました。
それ以外にも、企業にはめったに起こることではないながらも、倒産、上場廃止、といったリスクがある、ということも覚えておきたいと思います。

 

通常の株価下落の場合は、いくら暴落しても、ほとんど0円にまで落ちることはありません
大きく値を下げれば、ある人々は割安だとみなして、買いが入ったりすることがあるからです。
また業績不調な企業でも、短期で株式売買を行なっている人にとってはいろんな意味で魅力が潜んでいるのです。

 

これまで述べたように僕はそのような短期的な上げ下げには関わらないようにと思っています。
やはりそれはギャンブル的な要素が大きく、健全な投資とは感じにくいからです。

 

さて、業績不調な企業でも、株価が0円になる確率は非常に低いわけですが、ある状況では株価が0円になる、もしくは近づくことはありえます。
それが、冒頭で述べた、企業が倒産、もしくは上場廃止になった場合です。

 

これを完全に前もって予想して避けることは難しいですが、ここでは二つのリスクの減らし方について書いてみたいと思います。

① 自己資本比率が低い会社を避ける

会社全体の資本、というのは、自己資本と他人資本の合計金額になります。
そのうち、自己資本とはざっくり言うと、「返済する必要のない、会社の持っているお金」(株主から調達した資本金と、経営活動の結果得られた剰余金とを合計したもの)と言えます。
また、他人資本とは、借入金など外部から調達したお金になり、これは当然ながら利息をつけて返済が求められるものです。

 

それで、自己資本比率とは、返済する必要のない自己資本が全体の資本の中で何%あるかを示す数値となります。

 

ざっくりとした例えで言うと、ある会社が60億円を資本金として株主から調達したとします。
そして、銀行からは30億円借り入れて、経営活動を行います。
そして、経営活動の結果、10億円の剰余金を得ることができました。

 

この場合、総資本は60億+30億+10億の100億円となります。
この中で、返済の必要のない自己資本は、資本金60億+剰余金10億の70億円です。
ということは自己資本70億を総資本100億で割ると、自己資本比率は70%ということになります。

 

では、いったい何%あれば、その会社は安定していると言えるでしょうか。
一般に40%を超えていれば、倒産の確率は低いと言われています。
70%を超えれば優良企業です。

 

そして、10%を切っていると、かなり経営状態が危ういとも言われますので、そのような会社は避けるのが賢明と言えるでしょう。

 

加えて、利益剰余金有利子負債をチェックするのは大きな判断材料となります。
利益剰余金とは、企業が今までに稼いだ利益を積み上げたお金で、会社内部に蓄積されているものを指します。
逆に、有利子負債とは、利子をつけて返さなければならない借り入れのことになります。
会社を経営するうえで、借り入れをすることは普通のことですが、それが余りにも大きいとき、会社の財務内容に問題があるとみなされることになります。

 

ですから、目安としては有利子負債はゼロがもちろん望ましいですが、もしあったとしたら、利益剰余金の範囲内であれば問題ないでしょう。
もしくは、僕はネットでいろいろ見てきましたが、会社の純利益の5倍以内であれば、良しとしています。
ただし、業種によっては、有利子負債が高いのは当然のものもありますし、もしくは、会社が急成長を遂げるための先行投資のために有利子負債が高くなる場合もありますので、そうした数値は参考程度として見る必要もあるでしょう。

 

ここに述べた、自己資本比率、利益剰余金、有利子負債、純利益などの数値は、各会社のホームページにあるIR情報を見て確認できます。
IRとは、企業が投資家に向けて経営状況や財務状況、業績動向に関する情報を発信する活動のことで、IR情報のコーナーにまとめてあります。
もしくは、東洋経済社の会社四季報という、全上場企業のいわば百科事典のような本でも簡単に確認できますので、僕はいつも活用しています。

 

こうした、会社の業績や財務状況を調べることで、危険な会社の銘柄を避け、倒産による損失を避けたいと僕は考えています。

② 分散投資をする

もう一つ、倒産や上場廃止のリスクを下げる方法は、分散投資になります。

 

例えば、株式投資に当てる全資金を一つの銘柄に投資するならばどうでしょうか。
もし、その会社が倒産、もしくは上場廃止となれば、全資金を失うことになりかねません。

 

しかし、全資金を例えば5つの銘柄に分散しておくならどうでしょうか。
そうすると、例えそのうちの一つの会社の株価が0になったとしても、その損失は全体の5分の1です。
その場合でも80%は資産として残るのです。

 

僕は基本、日本株のみの投資でやっていこうと思っています。
ですから、当面は資金も限られているので、全体を5つほどに分散して投資していこうと考えています。
分散投資には他にもいろんな考え方があって、株式、不動産、金、債権といった異なる商品への分散もあります。
また、先進国、新興国、ヨーロッパ、アジア、といった地域を分散させる手法もあります。
円、米ドル、豪ドル、トルコリラなどの外貨に分散するものもあります。
また、こうした手法を組み合わせることで分散させる人たちもおられます。

 

僕はとりあえず、日本株のみ、そしてその中での銘柄を分散させる方法をとりたいと思います。
その理由は、1番僕にとってわかりやすいからです。
ウォーレン・バフェットという偉大な投資家の右腕としても知られるチャーリー・マンガーという人は、「自分が何を知らないかを知っていることは、優秀であること以上に価値がある」と述べたそうです。
この言葉によって、自分のわからないものに投資する愚をおかさないようにと諭しているわけです。
それで、僕もいずれは他の投資について学ぶ可能性もなくはないのですが、今はなじみのある日本の会社に投資して応援するとともに、利益を得ていきたいと思っています。

 

銘柄を分散することに加えて、会社の業種も分散させるなら、いっそうのリスクへの対策となりえます。
なので、好調な業種が一つ見つかったとしても、そこに集中するのではなく、他業種で銘柄を選ぶことでリスクを最小化していきます。

 

もちろん、「速く大きく儲けるためには、集中投資が大事である」、という意見もあります。
実際そうやって資産を増やしている人たちもおられます。
しかし、ぼくは一点集中によるリスクをとるつもりはありません
株式の世界では、「絶対」という言葉はないからです。

 

近年の例では、スルガ銀行(8358)TATERU(1435)といった会社の例が僕の気を引き締めてくれてます。
いずれも、会社の不正によって、大きく株価が下がり、上場廃止の恐れさえある状態になりました。
特にTATERUは不動産業で、非常に業績も良く、ここ5年ほどの売り上げの成長率だけを見れば、非常に魅力的な業績を上げていました。
もし、早くその業績に気付いていたら、僕も購入していた可能性は高いです。
業績の面では、それほど魅力的な伸びを示していたのです。
それが、不正問題で一気に信用と株価を落としてしまったのです。

 

もちろん、こんなことはめったにある例ではないでしょう。
また、不正がなされているかどうかなんて、うちら投資家はまったく知る由もないわけです。
でも、めったにない例だとしても、また、不正なんてあるとは考えていなかったとしても、もしこの株を持っていたら、現実として大損していた可能性があるのです。
もし、TATERUの業績絶好調を見て、全額を投資していたら、それは恐ろしい結果になっていたに違いありません。

 

ここで僕は、どんな会社にも不正が起こると言っているのではありません。
そうではなく、何が起こるかは誰もわからない、つまり株式投資に「絶対」という言葉はない、と言っているのです。

 

ですから、やはり、儲けるのに時間がかかるとしても、僕はリスクを最小化するために分散投資を行なっていきたいと思うのです。

今日のポイント

倒産の恐れがある会社を、自己資本比率などの数字を使って上手に避ける!

分散投資をすることで、リスクを最小限のものにする!

 

次回は、リスク対策の流れで、どれくらいの資金を投資に振り向けるか、という点について語りたいと思います。